表面加工処理のパイオニア集団の神奈川メッキ工業組合


フェロマスクK 三価クロムの化成被膜処理液の長寿命力を助ける添加剤
  めっき薬剤メーカーから市販されている各種三価クロメート液はpHが酸性であることから、配管用パイプやプレス加工品などの亜鉛めっきが電析しない表面から鉄などの素材の溶解がさけられず、三価クロメート液中の鉄などの濃度が高くなるとクロメート皮膜の耐食性が低下することが知られてきました。 (三価クロメート液の不純物濃度の限界について、鉄は30から50ppm、銅は3ppm程 と言われています。)

 神奈川県メッキ工業組合では組合員30社の参加により『三価クロメートに関する情報交 換会』を2005年3月に発足させ、めっき薬剤メーカーなどから講師を招き、液寿命の向上 などの検討を重ねてきました。

 情報交換会で提示された使用薬剤、使用方法などを受け、神奈川県産業技術センター は、(財)神奈川科学技術アカデミーの展開する「都市エリア産学官連携促進事業」における 可能性試験分野の環境調和型機能性表面関連技術の中で「三価クロメート液の長寿命化に関する研究」を2005年7月から実施するとともに、神奈川県メッキ工業組合から依頼された受託研究を行う中で、市販の三価クロメート液に酸性で効果のある腐食抑制剤を加える技術を開発しました。

 神奈川県メッキ工業組合では、その技術を使って、複数の市販品についてクロメート処理を行い、従来と変わらない外観で、耐食性のあるものができるプロセスを明らかにしました。 この方法は、従来の市販品に比べ、鉄の溶解を抑え、液の寿命を延ばす働きがあり、市販液の寿命が延びることから、廃液処理が少なくて済み、加工コスト低減につながります。また廃水処理の負担も軽減できスラッジの発生量も抑えられます。

 神奈川県メッキ工業組合と神奈川県産業技術センターが2006年3月、共同出願した特許 (特願2006−61484)では、複数の市販三価クロメート液を使用する際に無害な 腐食抑制剤を添加する方法が記載されている。この添加剤は神奈川県メッキ工業組合で販 売を予定している。

フェロマスクK

三価クロムの化成皮膜処理液の長寿命力を助ける添加剤
フェロマスクK

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メール:meltuki@ace.ocn.ne.jp
電話: 045-633-5173
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神奈川県メッキ工業組合

<亜鉛めっきの化成処理>
RoHS・ELV指令(ヨーロッパの有害物管理制限)を受けて、有害な六価から三価クロメートへの切替が進んでいます。
しかし、三価クロメート液に鉄が溶解すると、耐食性が低下し、液寿命が短くなる欠点がありました。
<鉄はなぜ溶解するのか>
めっき加工するとき、パイプや板合わせ部品の内部は、対極の陰になり、電流が流れないため、めっきされません。
三価クロメート液はpH2程度の酸性ですので、めっきされない素材(鉄)むき出し表面から鉄が溶け出します。

神奈川県メッキ工業組合と神奈川県産業技術センターが共同開発した「フェロマスク・K」は、鉄の溶解を抑え、液寿命を延ばす働きがあります。
パイプ
<フェロマスク・Kの効果>
亜鉛めっき後の化成処理として利用されている三価クロメート液長寿命薬剤「フェロマスク・K」の効果を知るため、神奈川県メッキ工業組合は平成18年6月から8月の間、製造工程でモニタリング試験を行いました。
試験方法として、D社、S社が行ったのは建浴時にフェロマスク・Kを加える以外には補給しない方法です。T社が行ったのは三価クロメート液補給時の際、補給量に見合った量を追加する方法です。

図1はD社の結果で、建浴時に添加剤を加えたものと加えないものについて静止めっきの自動機で同一形状の品物をいずれも8日間処理しました。添加剤を加えることで1/4程度まで鉄濃度が減少しています。また、水洗水のCOD上昇は5ppm以下でした。

図2はS社の結果で、建浴時に添加剤を加えた後、静止めっきの自動機で処理し、8週間添加剤を加えなかったものです。従来に比べて鉄濃度の上昇を防ぐことができました。






図3はT社の結果で、建浴時に添加剤を加えた後、三価クロメート液補給の際、添加剤を追加することを8週間続けました。鉄濃度、添加剤の濃度ともにほぼ一定の値が得られ、鉄濃度の上昇を防ぐことができました。










図4は塩水噴霧試験結果です。亜鉛めっき浴や三価クロメート処理液の種類で異なりますが、フェロマスク・Kを加えたSI社、T社のものでは、それぞれ、白錆、赤錆の発生時間は100時間程度遅くなる結果が得られており、腐食抑制効果が期待できます。