執筆:管理栄養士 山川ゆきえ/医師監修:大村美穂(シンクヘルスクリニック院長/産婦人科専門医・がん治療認定医)/更新
フコイダンって何?
もずくや昆布、わかめなどといった馴染みのある海藻などに含まれるヌメリ成分として知られる「フコイダン」。近年は医学界でも注目され、がん治療中の方やご家族が「フコイダンの効果は?」「サプリの選び方は?」「治療と併用してよいのか?」などを調べるケースも増え、話題になっています。
フコイダンの効果について探求し、健康に生活するため、フコイダンと毎日の食事のアドバイス、献立の紹介を日々行っている、くらしいきいき株式会社の管理栄養士が、フコイダンの基本(フコイダンとは)から、がん治療中に気になりやすいポイント(抗がん剤治療と食事・胃腸・免疫・QOL)、フコイダン(サプリ)の選び方、食事療法の考え方までを、研究報告の位置づけにも触れながら整理します。
※本ページは情報提供を目的としており、特定の効果を保証するものではありません。治療中の方は、摂取の可否を主治医・薬剤師へご相談ください。
管理栄養士 山川 ゆきえ
九州女子大学家政学部栄養学科卒業。料理好きの母や祖母の影響で食や健康に興味をもち、管理栄養士の道へ。大学卒業後は病院・老人ホームで5年間、管理栄養士としてアレルギーや透析食、ミキサー食など、様々な患者様に応じた献立作りや調理に従事。くらしいきいきでは、一人ひとりの生活スタイルや体調にあわせた食事相談や毎日のレシピ提案・紹介を行っている。2019年7月よりくらしいきいきラボにて、食や健康に関わる情報を配信中。
01フコイダンとは
フコイダンとは、藻のねばねばとした粘質部分に含まれる成分の一つで、硫酸化多糖類に分類されます。海藻が乾燥や紫外線、潮の流れなどの環境ストレスから身を守るための仕組みに関与していると考えられており、人間の健康維持に関する研究も行われています。
1996年にフコイダンに関する学会発表において、代替療法としての効果で注目を集めはじめると、さらに研究が進み、現在は純度の高いフコイダンを効果的に抽出できるようになり、健康食品、化粧品の成分として幅広く愛され、多くの方の健康に役立っています。ただし「フコイダンの効果」といっても、体感や期待する内容(胃腸、腸内環境、免疫、治療中の生活など)は人によって異なります。研究報告には対象者(健常者/患者)、摂取量・期間、フコイダンの種類(原料、抽出方法、分子量など)といった条件があるため、結果をそのまま一般化することはできません。
本ページでは、こうした前提を踏まえて、日常の食事・毎日の生活の中でのフコイダンの捉え方を整理します。
フコイダンならもずくがおすすめ
私たち日本人がよく食べるもずくは主に2種類あり,モズク科の「モズク」と、ナガマツモ科の「オキナワモズク」。特にオキナワモズクの成分に含まれのフコイダン量は、コンブと比べて5~8倍と豊富です。そのうえ低カロリーで食物繊維を豊富に含むため、便秘や腸内環境を整えるのをサポートしてくれます。他の海藻に比べ細く、のどごしも良いため、食が細くなった方でも毎日のお食事に取り入れやすい食材です。
02フコイダンは腸活におすすめ
腸内環境を整える取り組み(腸活)は、健康維持の観点から関心が高まっています。食物繊維でもあるフコイダンは腸内環境の観点からも研究が行われています。
腸内環境をサポート
フコイダンは水溶性食物繊維が豊富に含まれています。胃や小腸でほぼ消化・吸収されずに大腸まで届き、大腸内の善玉菌(特にビフィズス菌)の餌となります。善玉菌が増え理想的な腸内フローラのバランスになる、つまり腸内環境が整うことで、便秘や下痢のストレスから守ってくれます。
腸内のストレスをサポート
フコイダンには腸内の炎症などのストレスから守ってくれるはたらきがあるので、腸壁の健康を保つことが可能です。これにより、がんの発症や進行にも関係していると考えられている腸漏れ症候群(リーキーガット)のリスクも高まることのないよう、サポートしていると考えられます。
免疫力のサポート
腸には免疫システムを担う免疫細胞の約7割が生息しているため「第2の脳」とも呼ばれ、全身の免疫機能に大きな影響を与えます。フコイダンは腸管免疫の活性化をサポートするので、免疫細胞(NK 細胞やマクロファージなど)の働きをしっかりと維持する効果が期待されています。
腸は健康の鍵となる最重要臓器のため腸活はとても大切。ぜひ腸活を成功させるためにフコイダンを取り入れてみましょう。
03フコイダンと胃について
がん治療中は、食欲低下や胃腸の不調を抱える方も少なくありません。食事の土台が崩れると体力維持が難しくなるため、胃の状態を整える工夫が重要になります。
ピロリ菌の付着は胃がんのリスク
ピロリ菌は慢性的な胃炎をひきおこす原因の1つと考えられ、食欲不振などにつながっていきます。さらにピロリ菌に感染すると、胃がんや胃の腺腫などといった胃の腫瘍につながるリスクが約5倍に高まると言われています。硫酸化多糖類であるフコイダンは、ピロリ菌が胃壁に付着しにくくなる特長的な構造を持っており、ピロリ菌が胃にとどまることを減らしてくれるので、それによる炎症リスクの低減の可能性が示唆されています。
胃粘膜を保護
胃粘膜が荒れた状態は胃痛、胃もたれをもたらすだけでなく、発癌物質などの攻撃を受けやすくなるといわれています。フコイダンが胃の粘液細胞を刺激することで、胃粘液の分泌が促され胃粘膜を覆い保護されるので、胃粘膜の維持・修復に関与している可能性が報告されています。
健康のための食事をと考えていても胃の状態が良好でないと、食事することすらできません。がんをはじめ病気になると食欲がなくなります。フコイダンを上手に取り入れて、生命活動の基本、である食事が満足にできるよう、健康な胃を維持していきましょう。
04がん治療中の食事療法(食養生)とフコイダンの位置づけ
がん治療中は「治療を続ける体力」「日常生活を保つQOL」を支えるために、食事の工夫が重要になります。フコイダンを取り入れた食事療法(食養生)は治療そのものの代替ではなく、体調を整えて栄養状態を良くし、治療を継続して行える体力づくりの取り組みとして考えるのが基本です。
フコイダンは海藻類に含まれる成分であり、食事の選択肢の一つとして取り入れやすい側面があります。そのため、健康食品・サプリメントから効率的にフコイダンを摂取することも大事ですが、まずは日々の食事に海藻類をしっかり取り入れ、食事を通して摂取する意識を持ちましょう。そのためには管理栄養士に相談して一緒に毎日の食事の見直しを行い、食事療法(食養生)の土台をしっかりと作りましょう。一方で、体調・治療内容・服薬状況によって配慮するポイントが違うため、自己判断での摂取や増量は避け、必要に応じて管理栄養士や医療者へ相談してください。
食事療法(食養生)の基本(がん治療中の“土台”)
- 食べられる量が減る時期は「少量でも栄養密度」を意識
- 主食+たんぱく源+汁物など、負担の少ない組み合わせ
- 脱水を防ぐ(こまめな水分)
- 吐き気、下痢、便秘など症状に合わせて内容を調整
05フコイダンと抗がん剤の副作用について
正常細胞の保護
抗がん剤による副作用は様々で、倦怠感、吐き気、嘔吐、脱毛、便秘、下痢、食欲不振、しびれなどがあります。抗がん剤は分裂の盛んながん細胞を破壊するように働くため、正常細胞に障害をもたらすことで起きるのが副作用です。
フコイダンはこの抗がん剤による副作用や、QOLに関して検討した報告があり、軽減の可能性が示唆されています。ただしまだ小規模な報告であるため、必要に応じて医療者へ相談してください。
免疫細胞の活性化 ①
抗がん剤治療により免疫力が低下する傾向にあります。フコイダンには免疫細胞をサポートする作用があるため、免疫力が低下するとかかりやすいインフルエンザウイルスなどに対する人間が本来持っている免疫に関する指標(例:NK細胞)について検討した報告があります。
2021年6月発表フコイダンの摂取によるNK(ナチュラルキラー)細胞の活性化の臨床試験結果
- NK細胞:リンパ球の一種で、体内でウイルスに感染した細胞などを排除する免疫細胞
- 被験者:健常成人
- 摂取フコイダン:オキナワモズク由来のフコイダン

この臨床試験のデータによると、フコイダンを摂取している間はNK細胞の活性が有意に高くなりますが、フコイダンの摂取を止めるとNK細胞の活性が下がっていくことが確認されました。
免疫細胞の活性化 ②
昨今発表されたフコイダンには免疫細胞をサポートする作用の研究では、全ての方にとって身近なインフルエンザウイルスの感染予防にも効果があると紹介されました。フコイダンはウイルスを直接攻撃するのではなく、体が本来持っている免疫の働きを高めることで、インフルエンザに対する抵抗力を支えている可能性が考えられます。フコイダンの摂取によって体の中で免疫がどのように変化するのか、詳しい解析が進められていますが、健康な方にとっても喜ばしい効果であることは間違いありません。

【研究報告の出典】
本内容は、九州大学農学研究院ほか のグループによる「オキナワモズク由来フコイダンのインフルエンザウイルス感染予防効果」に関する研究報告をもとに紹介しています。※本研究は動物実験による結果です。※医薬品ではなく、日々の健康管理を支える研究報告です。
06まとめフコイダンは悩んでいる方にこそおすすめ
抗がん剤治療を行っている方は癌との闘いと同時に、抗がん剤の副作用との闘いでもあります。抗がん剤治療が中止になってしまう大きな理由は3つあります。
- 理由1治療に有効な抗がん剤がなくなる
- 理由2体調が悪化して治療の継続が困難になる
- 理由3QOL(生活の質)の維持を優先する
理由 2・3 については、フコイダンを摂ることで維持できる可能性があります。
「体調が悪化して治療の継続が困難」が解消される
「抗がん剤治療に耐えられる体力がなくなったから、がん治療をあきらめる。」という悲しいお話をよく伺います。体調悪化をさせないためにも、体力の維持・向上はとても重要。この体力の源が毎日の食事です。フコイダンを摂ることで胃腸の働きをサポートし、食事が摂れるようになることで、抗ガン剤治療に耐えられる体力を維持することができます。また、フコイダンは人間が本来持っている免疫力をサポートしてくれるため、併発しやすい感染病等による体力低下を抑えられる可能性があります。
「QOL(生活の質)の維持を優先」しても治療できる
フコイダンによって抗がん剤治療が少しでも⾧く継続できるだけでなく、日常生活を送る体力が維持できればQOLの維持も可能になります。歩ける、美味しく食事ができる、家事ができる、お風呂に入れる、大きな声で笑える・・・。抗がん剤治療を取るか、QOL維持を取るか・・・というどちらかしか選択できないという状況も減るかもしれません。
フコイダンは日本人に馴染みのある海藻類に含まれるため、日常的に摂取しやすい成分です。毎日の食事も、体への負担を考えた和食を意識した献立がおすすめです。
食事で十分に摂取できない場合、サプリメントや栄養食品を活用することも選択肢のひとつですが、信頼できる製品を選ぶことが重要です。「抗がん剤治療を併用できるのか心配」という方も少なくありません。フコイダンのみに注目すれば、治療と並行して摂取して問題ないことが多いのですが、効果が期待できる高分子フコイダンを使用しているのかという基本的なことから、製品によってその他の構成成分が異なりますので、癌に限らず日常的にお薬を服用している方は、必ずかかりつけ医やかかりつけ薬剤師にご相談したうえで摂るようにしてください。
フコイダンの効果を実感するためにも、毎日、フコイダン商品をまずは3か月間、飲んで試してみることも大事です。
健康を支える選択の1つに
がん治療学会認定医推薦成分 高分子フコイダン
フコイダンは、もともと海藻に含まれる高分子多糖類であり、その構造そのものに多様な生理活性が報告されています。近年は低分子化の有用性が強調されることもありますが、高分子であることが直ちに体内で活かされにくいということにはつながりません。消化管内での働きや腸内環境との相互作用など、分子量だけでは語れない側面もあります。
大切なのは、原料や製造過程の透明性、そしてご自身の体調に合うかどうかを見極めることです。
高分子フコイダンも、日々の健康を支える選択肢の一つとして十分に検討に値すると考えます。

広重 佑 医師
- 【経歴】
- 2010年 鹿児島大学医学部 卒業
- 2010年 鹿児島大学医学部 卒業
- 2012年~2024年まで泌尿器科医として勤務
- 2021年に医学博士取得
- 2025年から美容外科医として勤務
- 【資格】
- 医師免許
- 日本泌尿器科学会専門医・指導医
- がん治療学会認定医
- 抗加齢医学会専門医
- 日本医師会認定産業医
- 日本抗菌化学療法学会認定医
- 性感染症学会認定医
- 医学博士
- Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeon

フコイダン(サプリ)の選び方:がん治療中に確認したいポイント
食事で十分にフコイダンを摂取できない場合は、健康食品・サプリメントで補うことも選択肢の一つです。ただし、製品によって原料・抽出方法・構成成分が異なるので、しっかりと製品の内容等を見極めることが大切です。以下は、最低限しっかりと確認したいポイントです。
フコイダン選び方(チェックリスト)
- 原料の明記(もずく、昆布等)
- フコイダンの規格・含有量の表示(特に含有量が明記されているか)
- 第三者検査・品質管理の情報(公表があるか)
- 添加物・アレルゲンの表示
- 服薬との相互作用リスク(治療中は主治医・薬剤師に確認)
- 無理なく続けられる形状(ドリンク/粉末/カプセル等)
- 相談窓口の有無(体調変化時に相談できるか)
まずは上記の7項目をメーカーや販売元にお電話等でご確認ください。
監修
シンクヘルス クリニック院長 大村 美穂 医師
フコイダンは、昆布やモズクなどのぬめりの部分に多く含まれる食物繊維です。フコイダンは胃や小腸でほぼ消化・吸収されずに大腸まで届き、大腸内の善玉菌の餌になり、善玉菌を増やします。善玉菌が増えることにより腸内環境が整い、便秘や下痢の症状の改善が期待できます。
また、腸には免疫システムを担う免疫細胞の約7割が生息しているため、腸内環境が全身の免疫機能に大きな影響を与えていると考えられています。フコイダンを摂取することで免疫機能を担うNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化された、という報告があります(1)。フコイダンの摂取により免疫機能が向上することが期待されています。
また、フコイダンに「抗がん剤により正常細胞が死滅することを防ぐ」効果があることが確認されています(2)。
この報告をもとに、抗がん剤の治療中の大腸がん患者を対象としたフコイダンの抗がん剤の副作用低減効果を示した検証があります(3)。20人中半数の10人にフコイダンを摂取してもらい、摂取していない10人と比較したところ、フコイダンを摂取した10名の抗がん剤を続けられた期間の平均値が19.9サイクルであったのに対し、フコイダンを摂取していない10名の平均値は10.8サイクルでした。また、フコイダンを摂取していない群では10人中6人で強い倦怠感を自覚していたのに比べて、フコイダンを摂取していた群では10人中1人でした。この報告ではフコイダンを摂取することにより抗がん剤の副作用を軽減し、治療をより長く続けられる可能性が示されています。
フコイダンの効果は、まだ小規模な報告のみであり、確定的ではありませんが、フコイダンが腸内環境を改善して様々な効果を発現することが期待されています。
1)Tomori M, Nagamine T, Miyamoto T, Iha M. Effects of Ingesting Fucoidan Derived from Cladosiphon okamuranus Tokida on Human NK Cells: A Randomized, Double-Blind, Parallel-Group, Placebo-Controlled Pilot Study. Marine Drugs. 19(6):340(2021). https://doi.org/10.3390/md19060340
2)Kawamoto H et al Effects of Fucoidan from Mozuku on Human Stomach Cell Lines. Food Sci Technol Res 12(3),218-222(2006)
3)Ikeguchi M et al Fucoidan reduces the toxicities of chemotherapy for patients with unresectable advanced or recurrent colorectal cancer.Oncology Letters 2(2), 319-322 (2011)
略歴
- 2014年 横浜市立大学 医学部医学科卒業
- 2014年~2016年 日本赤十字社医療センター 初期臨床研修
- 2016年~2020年 日本赤十字社医療センター 産婦人科
- 2020年~2023年 国家公務員共済組合連合会 虎ノ門病院 産婦人科
- 2024年~ シンクヘルスクリニック院長
資格
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
フコイダンの効果についてもっと詳しく知りたいという方のために、
健康サポート企業くらしいきいきでは「フコイダン ガイドブック」をご用意しております。
ぜひお電話・くらしいきいきの公式ホームページでご請求ください。
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