大賞 フロンティア部門 株式会社向洋技研 優秀賞 フロンティア部門 保安道路企画株式会社   奨励賞 株式会社MANOI企画 奨励賞 株式会社クロコアートファクトリー 審査委員会賞 株式会社アンベエスエムティ 地域振興賞 株式会社めぐり
大賞 環境(エコ)部門 株式会社アメロイド日本サービス社 優秀賞 環境(エコ)部門 株式会社静科 優秀賞 環境(エコ)部門 ショウワ洗浄機株式会社 奨励賞 株式会社マイクロネット   審査委員会賞 株式会社ベネクス  

優秀賞 環境(エコ)部門 株式会社 静科

代表取締役: 高橋 俊二
所在地: 〒243-0807 厚木市金田492-1
設立: 2006年1月 従業員:5名
資本金: 1,430万円
TEL: 046-224-7200 / FAX:046-224-7210
産業Naviページ: https://www.navida.ne.jp/snavi/100020_1.html
公式ページ: http://www.hitori-shizuka.jp/

防音対策の「物納」化サービスの強化−短期間・低コスト・流通網確保で防音を身近に−

防音対策をより身近にお届けします。

当社では、特許技術によって開発した「薄型軽量の防音素材」を活用し、お客様の環境・目的に合ったオーダー製品を制作しています。
測定から現場調査まで自社で一貫し、「物納」サービスを強化することで施工をせずに、届いた日にご自身の設置で対策出来るように提案いたします。短期間・低コストを実現しましたので、職場での安全性・環境の改善をサポートさせていただきます。
吸音材・防音材・騒音対策「一人静」「SHIZUKA Stillness Panel」
 

仕様に合った物納でコストを下げ、作業効率アップ

吸音と遮音

代表取締役 高橋氏(左)
「高い音と低い音、どちらを吸音するのが難しいと思います?」株式会社静科代表取締役・高橋俊二氏に訊かれた。
当方の見識が狭いのかもしれないが、キーンという高音はなんとも不快で耳障りである。やはり高音を遮音するほうが難しいのではないか?
すると、返ってきた応えはこうだ。簡単に言えば、低い音を吸音するほうが難しい。3ウエイ(高音・中音・低音に3分割する)のスピーカーシステムを思い浮かべて頂きたい。低音域を受け持つウーハーからは、空気振動とともに迫力のある音圧が迫って来る。つまり低い音は波長のストロークが長く、エネルギーが大きいのだ。
「ちなみに、吸音と遮音は、別のものなんですけどね」と高橋氏。その違いはあとに譲るとして、同社の防音素材、一人静シリーズは、素材の組み合わせによる独自技術で高い音はもちろん、重低音の吸音・防音も可能にした。そして、この素材自体はもちろんのこと、なにより注目すべきは、同社の“物納”というサービスについてなのだ。
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失敗の中で

同社の前身となるのは、高橋氏の父、邦雄氏が創立した鉄道車両の床材などの部品をつくる下請け会社だった。
発注元と社会情勢の影響をもろに受ける不安定感から脱却すべく、自社独自の製品を打ち出せないかと研究を始めた邦雄氏。幸い、いろんな業種から技術を学んできたシニアの従業員の集合体といった職場だった。
耐荷重性のあるハニカム構造技術を得意とする邦雄氏はこれを活かせないかと考え、とりあえず断熱材をつくってみた。性能はいいのだが、コストがかかり、量産できそうにない。ただし、この失敗の中で気がついた。それは試作品に遮音効果があるということだった。そうだ、防音材をつくってみよう。
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既製品になかった構成材料

既製品に無い材料構成の一人静
まず、アルミ板で発泡剤を挟み込む方式をとってみた。これは保冷車の部品をつくっていた時の、断熱材をもとにしている。しかしこれだと、中のハニカムが潰れてしまう。それならと、一方のアルミ板をガラスクロスに替え、パンチングメタルをかぶせるようにした。すると今度は中の発砲素材が均一にならない。
試行錯誤の末、一人静は生まれた。
蜂の巣のように正六角形を隙間なく並べ、強度を保つ芯材、ハニカム。そのひとつひとつのスペースに気泡の細かい発泡樹脂(フェノール)を隙間なく埋め込む。この吸音層を高純度のアルミ繊維材と軽量アルミ板でサンドしている。これらの構成材料は、本来は防音材として採用されなかったものがほとんどである。一人静がいかに画期的な吸音・防音材であることが分かるのだ。
もともとフェノールと呼ばれる発泡樹脂は、土壁と同じく呼吸する構造を持っている。そして調湿効果があるため、外気が乾燥すると含んだ水分が出て行く。これまで断熱材として用いられているウレタンは、水分を吸うので黴やすい。また、同様に吸音材として使用されているグラスウールは、湿気を取り込むと崩れやすかった。その点、フェノールは四季のある日本には、うってつけの素材であり、さらには、粉塵にならないので、吸い込んで人体に悪影響を及ぼすこともない。
また、アルミ繊維材とアルミ板でサンドイッチする構造も初の試みだ。既製品はアルミ板でサンドしたため、吸音面はパンチングされている。穴の開いていない部分のアルミ板は音を跳ね返すだけだ。吸音面が高純度アルミ繊維材になったことで、開口率は実に40%以上になり、低音から高音までの広周波数帯の吸音が実現した。耐腐食、耐錆で耐久性もある。吸音面をファブリック(布地)で覆う場合も、開口率が高ければまったく性能が落ちることはない。背面の遮音板も耐腐食、耐錆で屋外での使用が可能だ。切断加工にも対応し、なにより軽量である。
これらの吸音性能に加えて、さらに一人静は環境面でも優れた点を備えている。
既製品は、幅1,000mm×高さ100mm×厚さ33mmで1枚当たり20sあったところ、一人静は8sという軽量とした。そのためアルミ製のワクでつなげられるパネル状なので、ばらしたり組み立てたりが可能だ。骨組みをつくると壊すしかなかったこれまでの防音材に対して、半永久的に使えるのが一人静なのだ。不燃材として国交省の認可を得ているから、建材としても使用可能だ。
また、吸音性能に加え放熱機能を加えたり、発塵性と吸水性を抑えるなど使用環境に適した一人静もタイプ別にラインアップした。「人間、一人で静かにいたい時がある」という邦雄氏の言葉が商品名の由来だ。
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もう一手… それが“物納”

画期的な発明品である一人静ではあったが、販路がなかった。知っている人にサンプルを配って口コミに頼ったり、展示会に出品したり、自社ホームページで案内したり……だが、反応は今ひとつ。
そんな中、先代社長が病に没し、高橋俊二氏が経営を引き継ぐことになった。その頃、一人静がテレビの番組で取り上げられて、注目を集めることに。その影響から一般家庭、企業などあちこちから引き合いがあり、対応には追われたが、成約率は決してよくなかった。分析をしてみると、あることが分かった。採用された先は、工場が多かったのだ。高橋氏は営業先を絞り込むことにした。そして、さらに、もう一手に出た。それが“物納” である。
吸音材・防音材という素材ではなく、工場側のニーズに応えた形に一人静を組んで、箱にしたり、パーティションにしたりといった物にして納品することにした。性能に優れた一人静を防音材として見た場合、競合他社と比べて価格面は同等である。しかし、これを物として納品するところまで一括して行えれば、素材のみを扱っている業者とは一線を画することができる。さらに、そうした体制が自社に整いつつあったのも事実で、一人静の開発段階から、いつかは物納をと、スタッフを集め、研修を積んできたのだった。「以前、シニア技術者の集団だったウチで、最後の技術継承を受けたのが私です。本来、ウチは技術が売り物なんです。そこに立ち返られなければいけない」
加工を自社で行い物納する
さて、冒頭で述べた遮音と吸音についてだが、遮音とは鉄板などを使って音を跳ね返すこと。それで囲いをつくったとしても、音はその中で跳ね返され異様なうねりをともない漏れ聞こえてしまう。ましてや、その囲いの内側で作業をする場合は、ヘッドホンなどで安全確保をしても難聴になるリスクにさらされてしまうのだ。また、鉄や鉛でできた重い遮音壁は、いったん設置をすると、使い勝手のいい作業環境を他につくろうとするにも移動が困難だ。
そこで吸音性に優れている、軽量な一人静のパーティションなら、いったん物納しても、軽くて小回りが利くので、製造ラインを気にせず現場の人だけでも移動が楽だ。「資材を購入し、さらに加工費がかかるものと比べて、当社の場合なら費用は2/3で済みます。仕様に合った物納により、工場環境を改善することで、作業効率を上げる、従業員の安全に配慮する。これが当社のビジネスプランです」
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