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大賞 環境(エコ)部門 ia corporation 株式会社 優秀賞 環境(エコ)部門 株式会社オオハシ   奨励賞 オゾンセーブ株式会社   地域振興賞 株式会社大森商店 福祉支援賞 有限会社オフィス結アジア

奨励賞 株式会社ビュード

代表取締役: 川端 秀明
所在地: 大和市草柳1-18-5
設立: 2010年4月 従業員: 3名
資本金: 200万円
TEL: 046-200-6363 / FAX: 046-200-6464
産業Naviページ: https://www.navida.ne.jp/snavi/5567_1.html
公式ページ: http://www.akerukun.com/

耐震ドアシステム「アケルくん」

阪神淡路大震災以降広く認識されるようになった、地震による集合住宅での閉じ込められリスクを大幅に軽減する商品です。

扉を開閉する為には、扉の先端と枠の間に一定の隙間が必要であり、地震で歪みが生じた時でも、それを確保するのがポリカーボネート製でテーパーを付けスベリ材を塗布したテープである「アケルくん」です。

「アケルくん」を張り付けるためには既存のドアの取付調整を行う必要があり、当社では認定工事業者制を導入し、施工後品質の保証をしています。
 

地震の“閉じ込められ”から救え

震度6強のドア

川端代表取締役
軽トラックの荷台にはドアが載っていた。株式会社ビュード代表取締役・川端秀明氏が、そのドアに付属するジャッキを締め上げた。
「開けてみてください」と言われ、ノブを握るがびくともしない。
「高さ180センチのこのドアの枠には、今15ミリの歪みができています。これは、震度6強の地震でできると想定される歪みと同じです。ドアを開けるには、200キロの力が必要なんです」そう説明した川端氏が、ドアの上部と、戸先(ドアを閉じた時、柱や壁などにあたる面の部分)にテープのようなものを貼った。
「では、もう一度開けてみてください」と促され、取っ手を引いてみると、「開いた!」思わず声を上げてしまった。ドアは枠にちょっと引っ掛かるような感触があった後で、飛びだすように外に出てきた。さして力を込める必要もなかった。「これが『アケルくん』です」と川端氏がほほ笑んだ。
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アイディアを具現化

アケルくん
専務を務める建具会社、有限会社ビュードが8年前に工場を建設した。「やっとあのことに取りかかれる」川端氏は考えた。1978年の宮城県沖地震、95年の阪神淡路大震災という二度の巨大地震から、既存ドアの耐震商品を開発したいと考えていたからだ。現株式会社ビュードの石川潤一会長が考案した原理もあった。工場ができたことで、それをやっと具現化できると思ったのだ。「いくらアイディアがあっても、工場がないと実験も製品化もできませんからね」
その原理とはこうだ。ドアには、ドア枠との隙間がある。ドア枠が変形した場合、戸先の外側の角は外に出られても、内側の角が引っ掛かってしまう。だから、添付物を戸先に貼ることで矯正し、枠の歪んだ部分から逃がしてやればいい。石川、川端両氏の研究は始まった。もちろん通常の仕事の片手間に行うので、多くの時間は割けない。
最初、添付物の素材に選んだのは高分子ポリエチレンだった。だが、思ったほどすべりがよくない。セラミックも試してみたが、割れてしまう。「もっとすべりのいい、丈夫な素材はないか……」
行き着いたのはポリカーボネートだった。防弾ガラスや防弾盾、飛行機の風防にも用いられる素材である。800キロの耐性があり、火が燃え移っても自己消火性があった。金型で量産しやすい粒子であるところにも適性を感じた。ドアとフィットさせるため、添付物にふちをつくって、ドアの上部や戸先の端に掛かるように工夫もした。また、30年ほど前から扉にペンキを塗らない化粧鋼板ドアが開発されていた。通常の扉の鉄板は1.6ミリだが、化粧鋼板は0.6ミリの厚さしかなく、ハニカムという蜂の巣状素材の中身がへこんでしまう。そこで1.6ミリの鉄板を使用している枠側に貼る材料を開発した。
さて、耐震ドアシステム「アケルくん」の秘密は、ドアの厚さにこそある。アケルくんは平面ではない。薄いところは0.3ミリ。厚い部分が1.6ミリある。この傾斜が、歪んだドア枠にぶつかった戸先を外に逃がしてくれるのだ。実験車で試した時、一度引っ掛かるような感触があった後で、ドアが外に飛びだすようになるのは、この歪みからアケルくんが戸先を外に逃がしてくれるためだ。開発実験の中で、サムターン(錠の内側のつまみ)が、圧力により開かなくなってしまうことも発見。モリブデンという鉱物装置を付けることですべりやすくし、この問題も解決した。
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デモ車で日本中を

デモ車
2008年に特許を取得。それから商品化するまでに2年かかった。考案からは実に7年が経っていた。商品化と同時に、東京都のトライアル商品として推奨をもらい、水道局の給水場に採用された。「その後が、なかなか売れなくて……」川端氏は例の実験ドアを荷台に積んだ軽トラで、全国を走り回った。「もう、腰が痛くなるほど」と苦笑する。
その甲斐あって、徐々に浸透してゆくアケルくん。東日本大震災を経験し、首都直下型地震の不安が口に上る今日、時期を得た商品でもありテレビや全国紙などで紹介も相次ぐ。
東日本大震災発生1年後の決算から半年ごとに、同社はアケルくん(材料費)の売り上げ3%を日本赤十字を通じ義捐金として寄付している。
アケルくんを貼り付けるためには、既存ドアの取り付け調整を行う必要があり認定工事業者制を導入しているが、「将来的には、各戸にご自身で貼れるような商品化を」と川端氏は理想を語った。
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