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優秀賞 環境(エコ)部門 株式会社オオハシ

代表取締役: 大橋 道大
所在地: 横浜市鶴見区鶴見中央2-2-4-206
設立: 1970年2月 従業員: 32名
資本金: 2,500万円
TEL: 045-502-3052 / FAX: 045-502-3053
産業Naviページ: https://www.navida.ne.jp/snavi/5565_1.html
公式ページ: http://www.oohasi.co.jp

ポリエチレン製軽量敷板「リピーボード」

廃電線被覆材から再生したポリエチレンを用い、80t(耐荷重:20cm×20cm)に耐えられる丈夫な敷板を製造し、建築関係や農業関連、食品工場にも利用範囲を広げています。

再生品とはいえ、耐候性も30年の実績があり、丈夫で長持ちをPRポイントとしています。更に、再々生システムを確立し、他社品も含め廃PE製敷板を回収再生しています。
ポリエチレン製軽量敷板「リピーボード」
 

究極のエコ「リピーボード」

扱いにくい敷鉄板

ビニールハウスを簡易倉庫として使う
工事現場で地面に敷かれているのをよく見かける鉄板。敷しきてっぱん鉄板は、日本では普通の風景だが、欧米ではポリエチレンの敷板が主力であるという。湾岸戦争でも、砂漠にポリエチレン板が敷かれ、その上を戦車が走行したそうだ。意外に丈夫なのである。それに軽い。
もちろん頑丈であるだけならば、鉄板のほうが数段上ということになるだろう。だが、圧倒的に重い。運ぶのにも相応の費用がかかるし、設置にも手間とお金がかかる。撤去の際もそう。
扱いやすくて丈夫、そしてなにより環境に配慮したポリエチレン製軽量敷板リピーボードを生み出した株式会社オオハシは、なんと非鉄金属・プラスチックのリサイクル会社だった。
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リサイクルのパイオニア

イベント会場での利用
「なにしろゴミを出すなっていうのが先代の教えでね」と語るのは同社代表取締役・大橋道大氏である。先代というのは父の武雄氏だ。
通信ケーブルや電線は銅と絶縁被覆部分から成る。銅の部分を委託先の業者に返納し、絶縁被覆部分のポリエチレンと塩化ビニールを回収する。塩ビは売り、ポリエチレンで再生ペレット(成形加工原料としての粒)をつくって販売する。これが、同社の主業務である。確かにムダがなくゴミを出していない。
「ところが、この再生ペレットというのが赤字部門で……」
先代から続くリサイクルのパイオニアとしての矜持から、再生ペレットの業務に取り組んではいたが、収益にはうまく結びついていなかったようだ。「なんとか自社ブランドを―」は、ここオオハシでも夢だったのである。
そんな時、敷板のレンタルを行う会社からポリエチレン板をつくってほしいという依頼があった。環境に配慮することを企業の理念としており、再生ポリエチレンを材料にしてほしいというのだ。ポリエチレン敷板は、地方のテーマパークで使われるらしい。繁忙期に田んぼの上に敷いて来場者の臨時駐車場となり、後日撤去される。少しでも田んぼに負担がかからないよう、重い鉄板ではなくポリの板が選ばれたのだ。
その時は必要な分だけの板をつくったが、大橋氏は「コレだ!」と思った。そこで妹の夫で、電線会社に勤める塩野武男氏に声をかけた。「年俸をたっぷり払うから、一緒にやらないか」と。「そんなにいっぱいはもらってないけど」と同社常務取締役・塩野氏は笑う。
ここにリピーボードの本格的な開発が始まったのである。
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高度成長期時代の幻想

大橋代表取締役(右)と塩野氏(左)
かつて大手電線会社で電線の技術・開発を管理していた塩野氏は、今度はそれをリサイクルする側に回った。塩野氏そのものが一人エコシステムのような存在である。コストを抑えたペレットを上手に使い電線をつくっていた塩野氏は社長賞を授与されたこともある、博士号を持つポリエチレンのエキスパートだった。
その塩野氏が配合し、生まれたリピーボードは、それでも工事現場に浸透するまでに時間がかかった。現場では、いまだに鉄板が主力だった。高度成長期時代、ブルドーザーやダンプカーが鉄板を踏んで勇ましく闊歩した幻想が支配しているのだろうか。だが、重い鉄板は重機を使って敷設しなければならず、撤去にも運送にも莫大な費用がかかるのだ。そこは辛抱強く営業を続けるしかなかった。
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さらなる品質向上へ

リピーボードは工事現場に限らずさまざまなシーンに徐々に浸透していった。イベント会場設営、道路養生、駐車場、仮説通路や道路の設置、道路段差の補修では、大きな音を立てる鉄板に比べて抜群の消音効果があった。また、農業関連では、ビニールハウスの出入り口だけでなく、その中にも敷かれるようになった。軽量という特性が最も発揮されたのだ。農家では、かつてベニヤ板がよく使われていたが、水に濡れるとすぐに壊れてしまう。腐らない、さびないことは、またリピーボードの利点でもあった。
だが、トラブルもあった。品質の悪い原料を用いれば板が割れる。幾つかの苦情に、塩野氏が対応した。「それが、つくり方(材料)が悪いのか、客先の使い方が悪かったのかは、壊れた断面を分析すれば分かります」と塩野氏。
壊れたポリ板の断面は、開発した際のそれとはまるで違っていた。委託した工場が、配合を変えて板をつくっていたのだ。すみやかな対策として、委託先の工場を替えたのはもちろん、さらなる品質向上をはかるべく、設備投資を行った。
再生品のため、材料の純度を上げなければ製品物性(強度)の低下を招く。そこで導入されたのが水選別機である。電線粉砕後のシース、絶縁混合物を水選別機にかけると、ポリエチレンが浮いて、塩化ビニールは沈む。さらに底に残るのが、銅粉である。この水選別によって、100%ポリエチレンの原料を取り出すことができるようになった。そして、ここでも「ゴミを出すな」の精神は発揮され、塩ビや銅粉は廃棄されることなくそれぞれ必要先に売却される。
軽量のため重機を使わず、人間の手で敷設できるリピーボード。雨に濡れてもすべりにくく、その上でも安全に作業が行える。そうしてなによりここを強調したいのだが、リピーボードは再生材料からつくられたものなのである。再生ポリエチレンであるが、バージン材からのものと比較しても強度は同等。20トントラックでも走行可能だ。油にも泥にも強い。また、電線被覆材を再生しているため、耐候性がバージン材からのものより3倍以上というおまけつきだ。なにしろ直射日光に強い。
さらなる進化を遂げるリピーボードは、耐電防止(静電気防止)バージョンもラインアップした。絶縁物同士が接触した場合、空中放電する前に、材料に導電性を付与することによって、地球へ逃がすアースの役割を持たせたのだ。爆発物や溶剤など静電気を嫌う室での施工用途が増している。
銅電線からガラス素材の光ファイバケーブルへと移行する中、もちろんこちらにも対応。産業廃棄物として処分されていた光ファイバケーブル屑の粉砕材料も敷板の原料として利用できるようになった。光ケーブル特有の性能については、耐摩耗性が向上すると予想し、評価中である。
「ゴミを出すな」の精神は、まだまだ発揮される。再生品を用いたリピーボードだが、不要になった場合には、さらに回収し、再々生するシステムを確立している。また、さらに、である。他社製品も、リピーボードの購入先であれば回収し、再々生しようという、どこまでも一貫した環境配慮の姿勢で向かう同社なのであった。
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