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大賞 環境(エコ)部門 ia corporation 株式会社

代表取締役: 朝比奈 巌
所在地: 横浜市泉区上飯田町3609-1
設立: 1987年10月 従業員: 21名
資本金: 300万円
TEL: 045-303-0033 / FAX: 045-349-4748
産業Naviページ: https://www.navida.ne.jp/snavi/5563_1.html
公式ページ: http://www.ai-newenergy.jp

バイオUSS-OIL(商標登録済)製造・販売

未だに大半が廃棄されている廃食油を、石油と同等の燃料として利用できる技術を確立しました。

捨てられているものをリサイクルし、しかも環境に優しい燃料として利用できる仕組みを作ることは、未来の子供たちに枯れることのない油田を残すことと同じです。これを「台所油田」と呼んでいます。

作りましょう、私たちの力で。未来への贈り物として。
クリーン&高性能バイオUSS-OIL
 

半永久的な油田を将来への贈り物に

台所油田

朝比奈代表取締役
いまだに大半が廃棄されている使用済み天ぷら油などの食用油(廃食油)。捨てられるものをリサイクルし、しかもそれが環境に優しい燃料となれば、巨大な油田を発見したことになるだろう。「そう、まさに“台所油田”なんです」バイオUSS-OILの製造販売事業を行うia corporation株式会社代表取締役・朝比奈巌氏の口から聞き慣れない言葉が出た。
灯油の宅配事業を行う同社は、2004年の原油価格高騰のあおりを受けて、急激に収益が落ち込んだ。「このままでは衰退する一方だ」朝比奈氏は、新たなビジネスに打って出る必要を感じていた。
そんな氏の耳に入ってきたのが、「天ぷら油でバスが走る」という報道である。バイオディーゼル燃料=BDF(使用済み食用油にメタノールを加え、グリセリンを除去するなどの化学変化で燃料として使用できるようにしたもの)だ。
朝比奈氏は研究会社と提携し、BDFの実用化に向けて灯油宅配用のタンクローリーの使用協力などを行った。ところが、燃料が詰まってしまい、3台のタンクローリーが故障。修理代に多くの費用がかかるなどしてとん挫してしまう。
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新バイオ燃料誕生

バイオ燃料精製室
化学反応を利用するBDFは、反応を起こすために大きなエネルギーを使うことや、副産物として廃棄物が出ることも朝比奈氏は気になっていた。「もっとクリーンなエネルギーでなくては」
そんな時、まだ研究段階だが、灯油と混合することで廃食油がよいエネルギーになることを知る。灯油なら、自社の商品ではないか。さっそく朝比奈氏は開発に乗り出した。廃食油から酸化、劣化物を除去し、精製する。灯油50%に対して廃食油50%。もしくは灯油40%:廃食油60%の割合で混合する。精製したとはいえ廃食油には粘度や硬さがある。これを灯油と均等に細かく混じり合わせなければならない。そのため、超音波照射による振動を与えることによって完全に分散、溶解させた。
この新バイオ燃料が、大手プラント建設会社のコージェネレーションシステムに使用された。エコでつくったバイオ燃料でディーゼルエンジンを動かして発電する一方で、そのバイオUSS-OIL(商標登録済)製造・販売事業ia corporation 株式会社排熱を利用し、エコによる冷暖房を行おうというのだ。
もちろん試行錯誤もあった。廃食油は金属と反応しやすく、さびなどを運んでボイラーのフィルターやノズルを詰まらせた。これにはさび対策の添加剤を入れるなど改良を重ね、安定した燃料を確保するのに4年ほど実証を重ねることとなった。
かくしてバイオUSS-OILは、グリーン電力発電燃料として環境省から承認を得たのであった。
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回収するという事業

天ぷら油回収
ところが次なる難題が待ち受けていた。燃料は危険物製造という最も消防法の厳しい規制の下に作業を行うため、これまで社のあった場所ではわずかな量しか製造できない。商品として大量生産するためには、工業団地の工業地域に、消防法に則った危険物施設を建設しなければならなった。
昨年5月より土地を手当てし、消防局の指導に従って準備を進め、9月に設置許可が下りた。11月にやっと建家が完成したものの、廃棄物処理法に抵触しないことの証明や、すべての認定を得るのに今年2月までを要した。「零細企業にとって1年間収益を上げられなかったのは苦しいことでした。しかし、きちんとした体制を整えることができ、全国規模の組織との連携も確実になりました」
朝比奈氏の言う“連携”とはなにか―それは廃食油を回収する仕組みである。
食用油は硫黄分をほとんど含まないため、硫黄酸化物を出さない。また排ガスのスモークテストではまったく煤が発生せずスモーク度「0」の評価である。20年以上前から廃食油のリサイクルは注目されてきた。当初は河川の汚染防止が主な目的で、NPOやボランティアがろうそくや石鹸へのリサイクルを推し進めてきた。先述した通りトラックやバスの燃料としてもリサイクルされている。ところが、その廃食油を回収する仕組みが今一歩のところで確立できていない。
ia corporationは、県内外の飲食関連の組合などと提携し、廃食油の回収を行っている。協力店舗を巡回し、一斗缶や専用の樽を回収する方法をとっている。提携先は、チェーン居酒屋、企業の社員食堂、大学の学生食堂、お弁当屋さん、お蕎麦屋さん、食品工場などさまざま。精進料理を提供するお寺も回収先に名を連ねている。
現在、日本で発生する廃食油はおよそ71万トンと推定されている。そのうち有効に活用されているのは28万トン程度で、残りの43万トンは廃棄処分されている。この43万トンを回収する仕組みをつくり、燃料化できれば、経済効果は130億円(43万トン×回収買取価格30円/s)。また、43万トンを燃料化すると、石油が50%入り、比重0.92であることから燃料生産量8 0 0 億円(約100万KL×売価80円/L)になる。つまり、回収するという事業と燃料化して販売するという事業全体で、130億円+800億円=930億円の産業をさまざまな地域で生むことができることになるのだ。
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やはり経済性も大切

石油製品の灯油・軽油と同じ物理化学的性質を示し、発熱量はほぼ同等で硫黄分が15ppm以下。植物由来の油を50%以上含むので、排出されるCO2は概念上、従来の1/2以下。原油1バーレル100ドル超化時代を迎え高騰しているが、USS-OILは軽油価格の1/2〜1/3という低価格。このように経済性にも優れた特徴を持つのがバイオUSS-OILだ。
現在は液体燃料を使用しているボイラー、ディーゼル機器、ディーゼル発電に利用されているが、先の43万トンの“原油”を日本で発掘することができるようになり、これを使用できれば1千120万トンのCO2を削減できるのだ。これまでも、廃食油を用いたエコの取り組みは行われてきた。「しかし」と朝比奈氏は言う。「やはり大切なのは経済性です。どんなに素晴らしいものでも経済性が伴わなければ長続きできません。弊社のバイオUSS-OILは、経済性に優れ、合理的で、廃食油回収の仕組みや、有効性においてもこの方法以外にないと思っています」
バイオUSS-OILはリサイクルを促進し、循環型社会の形成において象徴的な燃料である。また地域ごとに取り組むことでさまざまな雇用を生み、地産地消を実現できる。石油価格を大きく下回る優れた経済性から、「日本の産業への競争力を高めることにも協力できる」と朝比奈氏。
「今後は行政とも連携して、各戸の回収などを進めていきたいです。市民の皆さんが参加することで、半永久的な油田を将来への贈り物として残すことができるんです」
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