優秀賞 エコ部門 株式会社横須賀軽金

大賞 フロンティア部門 ジャパンプローブ株式会社

優秀賞 フロンティア部門 リ・バース株式会社

奨励賞 チーム等々力

奨励賞 株式会社ヤマヨ

特別賞 湯河原担々やきそば会

大賞 エコ部門 株式会社ビッキマン

優秀賞 エコ部門 株式会社横須賀軽金

奨励賞 優成サービス株式会社

 

特別賞 お菓子工房サラ


自立循環型リサイクルループ「ヤサイクル」の取組

  • 代表取締役: 小野 仁志
  • 所在地: 〒239-0835 横須賀市佐原2-1-3
  • 設立:1995年1月 従業員数:22人 
  • 資本金:1,000万円
  • TEL: 046-833-5841 / FAX: 046-833-5842
  • 産業Navi個店ページ:https://www.navida.ne.jp/snavi/5234_1.html
  • 公式ページ:http://www.yasaicle.com

-広がるリサイクルループ-

クリーンな新事業を

株式会社横須賀軽金 小野代表

 自立循環型リサイクルループを提案し、2011年かながわ産業Navi大賞の環境(エコ)部門優秀賞を受賞した会社名が、株式会社横須賀軽金であるというのは意外だった。
 横須賀軽金は、その名の通りアルミ、ステンレス、スチールなどの軽金属で建築物の外装パネルや手すりを製造し、取り付け施工を行う会社である。なるほど、同社代表取締役・小野仁志氏の名刺には二級建築施工管理技師とある。
 それでは、なぜ、建築事業・施工を行う会社が環境事業を行うようになったのか? 同社の代表取締役に就任して20年になる小野氏は、これまでも施工の請負のみを行っていたところから、自社工場で独自製品を製造するまでに間口を広げていた。だが…と小野氏は言う。「建築関係は仕事の波があります。売り上げの波を一定化したくて、他部門の事業を始めるわけです。その場合、波が一緒にならないように、なるべく建築から離れた分野が良いわけです」
 新たな事業を模索していた3年前、生ゴミ処理機の販売代理店をしないかと声をかけられた。
 「建築業界は、古い体質の職種です。新部門を始めるにしても、現在取引のあるお客様にきちんとお知らせできる、クリーンな事業を展開したかったんです」


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エコへの目覚め

生ごみ処理機

 生ゴミ処理機を扱うようになって、小野氏は、自らがいかに環境について知らなかったかを痛感したという。「焼却することでCO2が発生してしまう生ゴミも、有効活用すれば資源になる。単純なことですが、それがひどく新鮮だったんです」
 いわば、小野氏はエコに目覚めたわけだ。さっそく、生ゴミ処理機の営業を開始した小野氏だが、「口下手で、営業が苦手ということもあり、うまくはいきませんでしたね」
 営業先は、ホテル、飲食店、スーパーなど。自分でリストアップして、電話や訪問営業する。うまくいかなかったのは、小野氏が口下手であったためばかりではない。営業先の生ゴミ処理機に対する概念が、あまりにも否定的だったのだ。2001年に施行された食品リサイクル法によって、生ゴミ処理機を導入した食品関連事業者は多い。しかし、設備投資はしたものの、その実うまく活用できている業者はあまりなく、生ゴミ処理機といえば、値段が高い、扱いが面倒、といったマイナスイメージしか持たれていなかったのだ。
 「生ゴミ処理機を導入すれば食品リサイクルが完成するわけではないんですよ」と小野氏は言う。「たとえば、自動車を購入する場合なら、利用者は自分がどの車種が欲しいかが分かっています。買った車を運転することもできる。しかし、生ゴミ処理機の場合、運転の仕方がわからないどころか、軽自動車が欲しいのに、トラックを買ってしまったというような状況になっていたんです」
 小野氏は、生ゴミ処理機に対する負のイメージをひとつひとつ排除する必要があった。それは、「お客様ができていない部分を、うちがやります」ということでした。

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畑で食べたキャベツの味

 まさに手さぐりだった。生ゴミ処理機を購入してくれたユーザーのところに、機械の点検に行き、その際に安定した質の堆肥を作るためにバイオ資材を加えたり、できた堆肥を使ってくれる農家を探したり。
 「最初は採算なんて取れませんでしたね。お金はどんどん出ていくし、時間もとられる。でも、そのうちに気がついたんですよ、自分たちはシステムを作ろうとしてるんだって」
 ある冬に畑を訪ねた。その農家では、秋口に生ゴミ処理機で作った堆肥を入れてもらって、キャベツが結球していた。
 農家の主が、ひと玉ヒョイと取り上げ、包丁でザクッと半分に切った。さらにチョンチョンと切り込みを入れて寄こしてくれた。初めての味見である。小野氏は、切り込みから両手でキャベツを割ると、バリッと食らいついた。「食べてビックリしましたね」そのときのことを振り返って、小野氏はにんまりした。
 甘さ、硬さ、瑞々しさ、すべてにおいて、これまで食べてきたキャベツとはまったく違っていた。肉厚の葉から茎へと至る、緑から黄色に変わるグラデーションの部分に、何とも言えない風味があった。
 小野氏は、何の調味料もなしに、とうとうキャベツ丸ごと1個を食べきってしまった。
 その瞬間、小野氏はリサイクルというものの真の意義が分かったような気がした。そして思った。生ゴミ処理機を買ってもらうためにアフターサービスをするのではない。自分たちが提供するのはシステムだ。生ゴミ処理機は、そのパーツの1つに過ぎない。

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真のリサイクルとは

社員

 飲食店やホテルから出た生ゴミを、再生機器によって堆肥化し、農家に提供。そこで作られた農作物を、再び飲食店・ホテルに配送し、食材として使ってもらう、新しい自立循環型リサイクルループが『ヤサイクル』だ。
小野氏は、『ヤサイクル』を確立する上で、リサイクルというものの本質を理解してもらうことが必要だと考えた。そのためには、生ゴミ処理機を客先に置く必要があった。
 客先から単に食品残渣を回収するのでは、生ゴミを出しているだけ、という意識しか相手側に生まれないだろう。処理機に生ゴミを入れるには、まず、資源とゴミを分けるという作業が発生する。リサイクルループを完結させるためには、資源を資源として見ることから始める必要があるのだ。
 たとえ、飲食店の経営者がリサイクルの真意を理解したとしても、店の直接の担当者が分かっていなかったり、面倒臭がったりすれば、それはリサイクルではない。そんなときには、小野氏は担当者から自宅の住所を聞いて、『ヤサイクル』で収穫した農作物を送った。それを味わってもらうことで、リサイクルの本質を知る。そこに至るために、貴重な食品資源を再生し、育て、再び収穫するという喜びと感謝も。
 リサイクルとはゴミを処理することではなく、資源を利用し、循環させることなのだ。

 『ヤサイクル』事業を展開する中で、野菜の旬というものが、とても短いことに小野氏はあらためて気がついた。
 「サンプルにしたいなと思って、農家に連絡すると“もう終わっちゃったよ”という答えが返ってきます。だいだい3ヵ月周期なんですよね」
 だが、その旬は、だんだんと北上してゆく。そこで、その地元・地域で独自に『リサイクル』を展開してもらおうという事業展開も行っているという。土地ごとにリサイクルループの輪を広げてもらおうというわけだ。「旬の野菜を、車を使ってCO2を排出して遠くに運ぶのではなく、あくまで地元のお店で使ってもらおうというわけです」
 また、同社では、『ヤサイクル』ブランドの堆肥を通信販売しているほか、ソース、リンゴジュース、トマトジュース、ジャム、アイスなど『ヤサイクル』マークの商標製品も提携して開発するようになった。
 先日、『ヤサイクル』に参加している地元の保育園の園児たちと一緒に、農作業を行ってきた。食育の一環として、種まきから草むしり、収穫までを行うのだ。その際、大根、トマト、ピーマンなどの絵を切り抜いた手作りの首飾りをかけられ、園児たちがお礼の歌を唄ってくれたと、小野氏は顔をほころばせた。

お問い合わせ 電話:045-671-7125 FAX:045-664-7598
一般財団法人神奈川県経営者福祉振興財団 企画事業部

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