大賞 エコ部門 株式会社ビッキマン

大賞 フロンティア部門 ジャパンプローブ株式会社

優秀賞 フロンティア部門 リ・バース株式会社

奨励賞 チーム等々力

奨励賞 株式会社ヤマヨ

特別賞 湯河原担々やきそば会

大賞 エコ部門 株式会社ビッキマン

優秀賞 エコ部門 株式会社横須賀軽金

奨励賞 優成サービス株式会社

 

特別賞 お菓子工房サラ


既存のガラス窓が使える後付け複層化ポケットサッシ

  • 代表取締役: 阿久津 公男
  • 所在地: 〒211-0053  神奈川県川崎市中原区上小田中2-42-1-404
  • 設立:1993年10月 従業員数:1人 
  • 資本金:1,000万円
  • TEL: 044-740-3063 / FAX: 045-242-0541
  • 産業Navi個店ページ:https://www.navida.ne.jp/snavi/5267_1.html
  • 公式ページ:http://www.bikki-man.jp

-問題解決に跳ねる!-

“お助けマン”自身の困った問題

株式会社ビッキマン 阿久津代表

 東北地方ではカエルをビッキと呼ぶ。それが、社名の由来である。せせらぎや水田に棲むカエルは、日本人にとって身近な存在であり、また、その名は「無事に帰る」「お金が返る」などに通じて縁起が良いとされる。何より飛び跳ねるその姿には、困難を越えようとするチャレンジ精神やファイティング・スピリットを見る。東北・福島県会津出身の株式会社ビッキマン代表取締役・阿久津公男氏は、社名に挑戦するその姿勢を込めたのだった。
 「何でもいいから、困っている人を助けたかったんですよ」それが、阿久津氏がビッキマンで行おうとしたことだ。挑戦するビッキマンはお助けマンなのである。
 会社員時代の阿久津氏は、メーカーの研究所にビーカーやフラスコなど理化学関係の備品を納入する仕事を行っていた。そこでも、現場からの要望に応えて、さまざまな試作品を提供し、「困っている人を助けて」きた。
 ワゴン車に乗って毎日忙しく動き回る営業職の阿久津氏自身にも、困った問題があった。運転中の夏の日差しの暑さである。阿久津氏は、車内の日よけ対策として、最初、段ボールをサイドガラスに張るなどしていたが、もっとよい方法はないものかと考えた。試行錯誤の末に出来上がったのが、レントゲンフィルム状の薄いスモークプレートだった。これなら、中から外を見渡せるが、外からは内部が見えない。しかし、夜間の走行には見通しが悪い。そうだ、粘着剤で直接ガラスに張るのではなく、吸盤で取り付けるようにすれば、着脱に便利だ!
 阿久津氏は、勤務先の社長に、この日よけフィルムの商品化を提案する。ところが、返ってきたのは、この商品を持って独立することを進める社長の言葉だった。「きみも、そろそろ起業してもよい頃ではないか」
 阿久津氏、41歳の時の事だった。


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次の一手

 阿久津氏は、考案した商品を「ザ日よけ」と命名。さっそく販売展開を開始した。だが、まったく鳴かず飛ばずである。
 困り果てた阿久津氏は、物は試しと、当時、新聞の投稿コーナーに「ザ日よけ」の紹介文を送った。
 すると、記事が掲載された翌日から、さっそく反応があった。カー用品会社やコンビニチェーンとの取引が生まれたのである。「宣伝がいかに大事かってことが分かりましたね」
 ところが、中国製の安価な商品が出回ってくると、売り上げは急速に落ち込んだ。

 阿久津氏が次に打った一手は、着脱に便利と考案した吸盤を捨て去ることだった。以前は、粘着剤の質が悪く、フィルムを剥がすとガラスに跡が残った。今度は、剥がした時に跡の残らない粘着剤を用いて、フィルムをガラスに直接張るのだ。自動車ガラスは、割れると粉々に飛散する。事故により、粉砕したガラス片で、年間多くの人々が失明していた。
 日よけではなく、身を守る術としてスモークフィルムを張るのだ。紫外線カットという要素も、こんどのフィルムには盛り込まれ、新車購入時のオプションとして張られるなど、利用客から大いに支持を受けた。

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日よけから結露対策へ

 いつしかスモークフィルムは、テロ対策で警戒中の要所で、厄介な対象とされるようになっていた。窓から車内が見通せないために、安全検査に時間がとられたり、強制的に剥がすよう指示されるドライバーもいた。
 もともとスモークフィルムの需要は1年を通じてあるわけではなかった。そんな中、フィルムの施工業者から要望が多かったのが住居での結露対策だったのである。
 「困っている人がいる―ならば、何とかするのが自分の仕事だ」
 阿久津氏のテーマは、日よけから住居の結露対策へと移行した。

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特殊サッシという発想

後付け複層化ポケットサッシ

 最初に行ったのは、得意のフィルムを窓に直接張ることだった。すると、3ヵ月ほどは効果があった。だが、その後、どうしてもフィルムと窓の間に気泡が生じてしまう。肉眼では捉えられないが、フィルムにも数ミクロンの穴が開いている。そこから空気が入ってしまうのだ。
  「フィルムを張るだけではダメだ」
 阿久津氏は複層ガラスに目をつけた。2枚の板ガラスを重ね、中間層を設けることで熱を遮断する。ガラスとガラスの間に隙間ができれば、できるほど、熱カット率は良くなる。調べていくうちに、12ミリの中間層を設ければ30〜40%の断熱ができ、これを超えると対流が発生して、断熱性能が頭打ちになることも分かった。
 複層ガラス窓にする場合、既存のサッシとガラスを廃棄し、大がかりな取り付け工事が必要になるのが一般的である。しかし、これでは、工事費用がかかり過ぎて、冷暖房費で相殺するのに15〜20年を要する。中古住宅では経費の回収は困難だ。一方、既存のサッシに取り付ける、市販の後付ガラスはというと、6ミリの中間層しか持たない。「これでは、ほとんど断熱効果がないというのに、なぜだ?」
 理由はサッシにあるクレセントロック(締め金具)だった。これがあるために、窓と板ガラスの間の層を最高6ミリしか空けられないのだった。
 既存のサッシとガラスを廃棄せず、そのままで後から取り付けられる、中間層12ミリの特殊サッシを作りたい。
 だが、クレセントロックを避け、12ミリの中間層をどうやって設けるか?
  「そうだ!!」阿久津氏はまったくの発想の転換を行った。引き違い窓でクレセントが妨げになるのは左側。では、左側の窓は、後付ガラスを外に取り付ければよいではないか。
 こうして『ポケットサッシ』は考案された。窓枠でクレセント部分を外から見えないようにし、防犯面にも配慮。結露対策、遮熱、防音に加え、中間層に乾燥剤を注入することでガラスの曇り防止も万全にした。
 さっそくセールスを開始した阿久津氏だが、製品の良さは認めてもらえるものの、なかなか採用までに至らない。名刺交換した相手は実に1800人。だが、その中には、 「良い物なのだから、絶対にあきらめるな」と「ある時払いの催促なし」で投資してくれる人もいた。
 なにより「宣伝の大事さ」を身を持って知る阿久津氏が打って出たのは、とことん安い料金で、「やらせてもらえないか」と個人経営の小さな飲食店に声をかけ、実地に『ポケットサッシ』の好例をアピールすることだった。そうした積み重ねが、ついに大手外食チェーンの目に留まり、1年間の試験展開を申し入れてきた。
 工事に2日間を要する入れ替え式に対して、後付の『ポケットサッシ』の施工は5時間。これなら店を休む必要もないし、工費も3分の1に抑えられる。工事で発生するCO2や廃棄物もない。断熱効果は、夏場の西日の当たるガラス付近の温度40℃が18℃に。冬場にはガラス付近で20℃が22℃へと暖房効果があった。もちろん、結露が発生することもない。環境に配慮し、経費を節減する『ポケットサッシ』は以後、多くの外食産業やコンビニチェーンで採用された。
 今回の産業Navi大賞受賞後には、早速数社から問い合わせがあったという。
  「受賞賞金の一部で、被災地の仮設住宅に『ポケットサッシ』を提供することも考えているんですよ」と、ビッキマンは地震の痛手を受けた故郷に恩をカエそうとしている。

お問い合わせ 電話:045-671-7125 FAX:045-664-7598
一般財団法人神奈川県経営者福祉振興財団 企画事業部

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