優秀賞 フロンティア部門 株式会社誠武

大賞 フロンティア部門 株式会社アイスリー

優秀賞 フロンティア部門 株式会社誠武

Kanatta!奨励賞 横浜消火器株式会社

Kanatta!奨励賞 株式会社トライアングル

特別賞 株式会社ファインスティールエンジニアリング

大賞 エコ部門 株式会社共立

優秀賞 エコ部門 第一電気株式会社

Kanatta!奨励賞 茅ヶ崎4社共同企業体

 

特別賞 心技隊


3次元複雑形状の創作技術開発による 新規マーケット開拓

  • 代表取締役:浅尾 廣文
  • 常務取締役統轄本部長:遠藤 克廣
  • 取締役統轄副本部長:浅尾 亮二
  • 所在地: 〒252-1111  綾瀬市上土棚北3-29-26
  • 設立:1986年12月 従業員数:72人
  • 資本金:1,500万円
  • TEL: 0467-77-7710  / FAX: 0467-77-7114
  • 産業Navi個店ページ:https://www.navida.ne.jp/snavi/5156_1.html
  • 公式ページ:http://www.se-bu.co.jp/

-新しいモノと事を起こす-

職人集団から
開発ソリューション会社へ

浅尾廣文, 遠藤克廣,  浅尾亮二

 神奈川県綾瀬市の高台に株式会社誠武の本社工場と第二工場はある。
 「すこしでも工場を広くしようと思ってね、階段を外につくったんですよ」
 代表取締役浅尾廣文氏は、第二工場の外階段を上りながら笑う。
 その言葉のとおり、案内された工場内部は、けっして広大とはいえない。しかし、そこには、最先端の3次元CAD/CAMと高精度マシニングセンタが装備されていた。
◆◇◆
 創業当時は、彫刻機械によるモックアップ(試作のためにつくられる実物大模型)を中心とした、「いわば職人集団でした」と廣文氏。
 工作機のNC化とともに3次元CAD/CAMを導入。複写機、プリンターなどの事務機器部品を中心に、切削加工による試作デザインモデルを手がけるようになった。
 客先から預かったデザインコンセプトやデザインデータを設計、図面化し、ミーティングを重ねながら試作を繰り返し、量産までを支援する。腕自慢の職人魂を失わず、開発支援のソリューション会社へと進化を遂げたわけだ。
 「以前は、図面ひとつにしても客先まで足を運んで取りにいっていたところが、データ通信化されました。まあ、それだけフレキシブルで、きめ細かい対応が可能になったということでしょうね」(廣文氏)

 

このページの先頭へ

切削と金型、
両構えの試作加工

3次元複雑形状作業風景

 1品製作の切削加工のみではどうしても開発のリードタイムが長くなる。たとえば、プリンターで、繰り返し紙を通すことによる部品の通紙度合いをテストする場合など、試作部品がたくさんあったほうが都合がよい。
 たくさんの数がいちどにつくれる金型による試作に着手するようになった。
 「試作品が数多くあれば、さまざまな試験をすることができます。逆に、手づくりで1個だけあればよいという要望もあります。切削と金型、加工方法を選択することで、よりお客様のニーズに合わせた試作が可能になったということです」(浅尾亮二氏)
 2005年1月、第二工場を開設し、金型事業を本格展開。金型加工で試作製作の幅を広げたことは、一方で、客先の幅を広げることにもつながった。1/100ミリ単位の精度で加工が可能な金型で、極小精密部品の試作にも対応できるようになった結果、デジタルカメラなどの電気機器メーカーとの取引がはじまったのである。
 「それまでメインであったのは事務機器ですが、やはり商品開発の波というものがありますからね。経営の安定化をはかるうえでも、やはり他の業種からも受注の間口を広げておく必要がありました」(遠藤氏)

 

このページの先頭へ

新技術と新規マーケット開拓

開発支援ソリューションの誠武

 会社が進化していくためには、常に新技術の導入に貪欲でなければならない。同社は、STL(Stereo Lithography)という技術に、会社が次に立つ広々とした地平を見た。
このシステムを取り入れることで、これまでデータ化しきれなかったデザイナーのイマジネーションを金型に表現できるようになるのだ。そこから生みだされる試作品の細かい凹凸や質感には眼を見張るものがある。
 「もちろん、そのためには多大な設備投資が必要です。そして、これを誤れば会社は危機的状況に陥ります。決断したのは社長でした」(遠藤氏) リスクを覚悟で新設備を取り入れた。しかし、このシステムを最大限に活かせるかどうかは、技術者たちの創造力にかかっている。
 同社には、その創造力を培うモノづくりの職場にふさわしい自由な気風があった。
 本社4階は、気分転換とコミュニケーションのために備えられたビリヤード台や自動麻雀卓の娯楽室になっており、屋上にはゴルフ練習用のケージもある。本社と第二工場の連絡通路には菜園があって、そこでは社員らが自主的にさまざまな野菜や果物を育てている。夏場のいまは、降りそそぐ強い陽ざしのもとスイカとナスがたわわに実っていた。
 社長の決断で、新システムは導入された。それを使いこなすエンジニアも、具象化する職人たちもいる。あとは、その腕前を存分に振るってもらう舞台を用意するばかりだ。そのステージをあつらえてやるのが経営陣の仕事だった。
 数年前からのリサーチの結果、新たに開拓した営業先は、それまでまったく縁のなかったアミューズメント業界だったのである。人々の娯楽を満足させるために、常に最新のエンターテイン メントを追いつづけるアミューズメント機器類。
 STLデータのダイレクト加工システムがつくりだすリアルなキャラクターや複雑な形状を忠実に再現した造形物が、アミューズメントマシンをアトラクティブに装飾するのに格好だったのである。
 「新技術というのは、実際につくってみないとわからないものですからね。なにしろ、いままでなかったものをかたちにしようというわけですから。これでいいのか? と、試行錯誤の繰り返しでした」(亮二氏)
 その試練を、現場スタッフは糧とした。難易度が高ければ高いほど、そのハードルを飛び越えることによろこびを見いだしたのだ。
 「技術に関する高い注文も多いかもしれませんが、つくるほうもどんどん面白くなってくる。そこにこそ試作の面白さがあり、モノづくりの醍醐味があるわけです。自分が担当した試作品が、実際に市場に出ているのを見つけたスタッフのよろこびようといったらないですよ」(廣文氏)
 従来の3次元 CAD/CAMでは不可能だった複雑な形状を表現し、また、こうした加工を行うために要した莫大な時間を短縮することにも成功。社員らは、その新しく広い舞台で最高のパフォーマンスを展開したのだった。

 

このページの先頭へ

毎日がチャレンジ

代表 浅尾 廣文氏

 「おなじことをしない。おなじものをつくらない。一品一様が試作の面白さですね」(亮二氏)
 「試作は短納期に慣れています。たとえば、発注する側のメーカーさんはいっせいに夏休みをとりますが、試作の担当者は納期の都合がありますし、仕事が面白いから集中してやる。もちろん個人個人で休んでもらってますが、試作という仕事の魅力がさせることですね」(遠藤氏)
 ベテランと若手の年齢バランスのとれた社員らを率いる、経営陣の試作への挑戦はつづく。
「毎日毎日がチャレンジ。新しいモノ、事を起こさないといけない。一日一日がおなじでないのは試作といっしょですね」 廣文氏が社屋を振り仰いだ。

 

お問い合わせ 電話:045-671-7125 FAX:045-664-7598
一般財団法人神奈川県経営者福祉振興財団 企画事業部

このページの先頭へ