大賞 環境(エコ)部門 株式会社共立

大賞 フロンティア部門 株式会社アイスリー

優秀賞 フロンティア部門 株式会社誠武

Kanatta!奨励賞 横浜消火器株式会社

Kanatta!奨励賞 株式会社トライアングル

特別賞 株式会社ファインスティールエンジニアリング

大賞 エコ部門 株式会社共立

優秀賞 エコ部門 第一電気株式会社

Kanatta!奨励賞 茅ヶ崎4社共同企業体

 

特別賞 心技隊


エコフィード(食料品残渣飼料)システム

  • 代表取締役: 上野 賢美
  • 所在地: 〒252-0131 相模原市緑区西橋本5-4-30さがみはら産業創造センター内
  • 設立:2006年7月 従業員数:30人
  • 資本金:9,575万円
  • TEL: 042-770-9407  / FAX: 042-770-9408
  • 産業Navi個店ページ:https://www.navida.ne.jp/snavi/5155_1.html
  • 公式ページ:http://www.kyo-ri-tsu.com/

-ほんとうのリサイクルを-

“環境”との接点

株式会社共立 上野代表

 圧力容器、真空容器、貯蔵タンク、熱交換器などの設計、製作を行う共立工業株式会社の代表取締役に上野賢美氏が就任したのは1995年4月のことだった。父・斉藤賢治氏が病に伏し、長女の上野氏が急遽事業を継続することになったのだ。
 「100パーセントの下請け会社ですから、仕事がなければ口を開けて待っているしかないんですね。その仕事もどんどん安価でできる海外に流出していく状態でした」
経営は行き詰っていた。さすがに、会社を閉鎖することも考えたという。
 だが、従業員とその家族がいるではないか。みんなのためにも生き残りを考えなければならない。それには改革が必要なのだ。 いまなにができるのかを必死で模索した。
「仕事が海外に流れていくなかで、では、国内に留まる産業とはなにかを考えたんです」
 食べもの、建築……いくつか頭に思い浮かべるものの、実際に自社の力が発揮できるフィールドは限られていた。そのなかに"環境"があった。取引先の大手企業も大きな柱に置いているではないか。
 "環境"は「国内に残る産業」だ。
 共立工業の扱い品目には、汚泥・汚水処理装置、焼成炉、廃棄物処理装置など環境関連製品があり、接点を感じた。
だが、なにをするか、だ――

 

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主婦の視線

エコフィールド

 共立工業はさまざまな環境装置を扱ってきたが、それはゴミを減らすことはあっても、ほんとうの意味でのリサイクルには至っていないとも感じていた。
 社長就任以前は専業主婦だった上野氏には、生活感あふれる視線と発想がある。これまでも、ジューサーミキサーや薬缶などキッチン用品を商品開発の実験器として用いたりしてきた。
主婦の視点の先に"リサイクル"という言葉が引っ掛かっていた。
 そういえばこれまで、製造した分別機が故障したり、乾燥機の乾燥能力について納品先から疑問の声が持ち込まれることがあった。食品廃棄物には、いわゆる"標準"というものがない。分別機には、脂身ばかりの生肉が大量に投入されることもあれば、ナイフやフォーク、古靴、紙の束などが混入することもある。乾燥機にかけられるものも含水率はまちまちだ。
 ――そうだ。分別機、乾燥機などそれ ぞれ単体としてではなく、入り口から出口までを一括して扱う、客先のニーズに合わせたオーダーメードの環境装置システムをつくろう!
 2006年8月に農林水産省消費安全局が〈食品残さ等利用飼料の安全性確保のためのガイドライン〉を制定し、エコフィードの使用が明文化された。それまで飼料は、ほとんどを輸入に依存していたが、世界経済の状況によって輸入価格に波があり、畜産農家の台所を圧迫していた。
 一方、国内では余剰食品、調理加工残渣が大量に廃棄され、その多くは焼却処理されているのが現状であった。
 地球環境問題や資源の有効活用、食料自給率向上のためにもエコフィードの普及が求められていたのだ。
 食料自給率――それは、まさに上野氏が考える「国内に残る産業」すなわち"環境"であった。
 「エコフィードで、ほんとうのリサイクル事業を行おう」
 上野氏は決意する。

 

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小さなメーカーに

エコフィールド

 下請け会社は、自分たちで金額が決められない。いつも発注先から言われるままだ。削られるのは、常に下請け側の工賃である。
 いつまでもこのままではだめだ。うちには技術力はある。生きていくために、自分たちが製造元になってほんとうのリサイクル事業を行おう。大きなメーカーでなくてもいい、小さなメーカーになろう。
 2006年7月、共立工業より分社化し、株式会社共立を設立。環境関連装置事業の本格展開を開始した。
 食品廃棄物の内容物と包装容器を分別、未利用資源を乾燥させ家畜の飼料としてリサイクルする――この一連の流れを一括して行う環境装置が、同社のエコフィード(食料品残渣飼料)システムだ。
 リサイクル循環というシステムそのものはもちろん、乾燥廃熱による原料の予熱や蒸気の加熱による熱効率アップといった省エネ対策の採用など、総合的に環境問題・環境保全への取り組みや省資源化にも優れている。この徹底した省エネぶりも上野氏のこだわりである。
 その後、このシステムを大いにアピールできる場が待っていた。2008年、兵庫県加古郡における新連携(異分野の企業がそれぞれの強みを持ち寄り事業展開する新しいビジネスモデル)の第1号事案として、エコフィード循環事業が採用された。食品業者が出す食品発生物を資源として、エコフィードを製造・販売。さらに、エコフィードで肥育生産された豚肉を、食品発生 物排出元の食品スーパーで販売するという循環型のリサイクルシステムだ。
 この事業の設備の開発・製造・設置・運転指導に同社があたった。
 「建物以外は、すべてうちがつくりましたね」
 結果、この循環事業は、同年の食品リサイクル推進環境大臣賞の最優秀賞を受賞した。

 

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そして環境総合メーカーへ

 「うちの乾燥機は、豚の飼料をつくるのに適しているんです」
 豚は焦げたエサを食べない。においを好まないようだ。焦げは、圧力容器内の壁面に乾燥物が押し付けられることによって生じる。その点、同社の乾燥機は、共立工業時代から遠心分離機を得意としていたために、攪拌羽の遠心力がこの焦げを発生させないのだ。
 「フライパンで目玉焼きを焼くところを、発想の転換をしてスクランブルエッグにしたわけです」
 主婦の視線からのじつにわかりやすい解説だ。
 「もっとも、近頃はだいぶハイテクになって、私の手には負えない領域になってきましたけどね」
 そういって微笑む。
◆◇◆
 共立では、エコフィードで肥育した豚のブランド化も推進している。
 山梨県ワイン酒造協同組合からワインの絞り粕の提供を受け、これを焦げをつくらない乾燥システムにより粉末飼料にし、山梨県のブランド豚「フジザクラポーク」に与える。「新フジザクラポーク」としての育成・販売構想がスタートしたのだ。もちろん、製造したワイン粕粉末によるエコフィード飼料も別途販売していく。
 エコフィード飼料については、乾燥タイプのものばかりでなくリキッドタイプも製造。また、エコフィードにならない部分については、土壌改良剤、浄化剤、脱臭剤、燃料として再資源化している。
 「環境事業では単品のメーカーでなく、環境総合メーカーを目指しているんですよ」
 上野氏は明言する。

お問い合わせ 電話:045-671-7125 FAX:045-664-7598
一般財団法人神奈川県経営者福祉振興財団 企画事業部

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