光の干渉を利用した光学薄膜の応用は、レンズの反射防止膜から始まって、干渉フィルター、ビデオ・カメラ用ダイクロイック・フィルター、レーザ・ミラー等、次々と新しい用途が開発されて来ました。 現在では、光学機器は勿論のこと、家電製品から計測、医療、通信、事務、映像、電子機器、宇宙航空、太陽エネルギー関連機器まで、各方面に幅広く使用されて、日本の高い工業技術を支える重要な要素と考えられております。
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【レーザ用反射膜】
硝子、石英等の表面に多層膜を蒸着し、高反射膜、或いは吸収の無い半透明膜をつけることが出来ます。蒸着物質の組合せ、及び膜厚、層数を適当な値にすることに依り、任意の波長域において希望の反射率を持つ膜を作ることが出来ます。
【ダイクロイック・フィルター】
硝子板上に高屈折率物質と低屈折率物質を交互に真空蒸着し、膜の厚さと層数を適当な値にすることによって、任意の波長の光を反射し、他の波長域の光を透過するフィルターです。R,G,B、マゼンダ、シアン等。
【偏光ビーム・スプリッター】
レーザ光、或いは他の単色光のP成分とS成分とを、殆ど損失なく90°に分離する偏光キューブ・プリズムです。レーザによるCD、ビデオディスク、光メモリー、光通信等、多方面に利用されています。
【近赤外カット・フィルター】
可視光は色補正を行いながら透過し、近赤外を反射、或いは吸収するフィルターです。カラーテレビ用撮像管、光通信用分光器等、その必要部品として不可欠のものであります。透過帯と反射帯の境界波長位置は任意に変えられます。
【反射防止膜】
基板材料の種類に応じて反射防止加工が出来ます。各種光学レンズ、シリコン、サファイア、その他特殊光学結晶等に施します。 |