奨励賞 都市拡業株式会社

代表取締役: 田尻 恵保
所在地: 〒232-0002 横浜市南区三春台25
設立: 1957年9月 従業員: 18名
資本金: 3,000万円
TEL: 045-231-1686 / FAX: 045-252-8474
産業Naviページ:-
公式ページ: http://www.toshikogyo.com/

水の力で赤錆劣化を解決!伝承技術の工業化を実現した「酸化被膜工法™」

岩間に湧き出る石清水がおいしくて健康にもよいと言われる理由は、雨水等の原水が長い年月をかけて地中の鉱物結晶に触れ、改質されるためです。こうした鉱物結晶の働きは、これまで伝承技術として知られてきました。
当社は、これを工業技術として完成させました。
赤錆劣化した給水管に「ザ・バイオウォーター(BW)」を設置することで、水の質を変え、赤錆を黒錆化し、管の肉厚を元の厚さまで復元することができます。これは従来の給水管劣化対策とは全く異なる画期的な工法です。
水を改質して赤錆を防ぐ・浸食を修復する THE BIOWATER
 

夢は海底まで透き通る横浜港を見たい!

創業は108年前

 
富士の伏流水は100年以上かかり名水として地上に現れる。こうした鉱物結晶の働きは、日本では古くからの家などに伝承技術として用いられてきた。
都市拡業株式会社が開発した「酸化被膜工法™」は、この伝承技術を防錆の分野で工業技術として完成させた。
同社は、明治43年に熊本の宮大工の、次男坊が事業を起こしたところに端を発する。初代の田尻儀八は、岩崎彌太郎率いる日本郵船の欧州航路勤務から陸に上がり創業。甥にあたる友作が養子に入って2代目を引き継いだ。3代目の現社長は2代目の長男である。2代目は出光佐三の油を運ぶ内航タンカー事業、横浜市の海洋投棄船貸し渡し業を経て、給排水設備・メンテナンス業へとシフトしていった。
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赤さびとの闘い

 
2代目の友作氏は、ゼネコンの傘下、いわゆる組下に入るのを嫌い、委託先と直接取引できる建物のメンテナンス・営繕業に特化した。その中で、経年劣化したパイプの問題は日常的な業務だったのである。
大学院博士課程を経て研究所設立のプロジェクトに没頭していた田尻氏は、ある日、親子2代にわたり会社に勤務する男性に泣きつかれる。「このままでは、あなたのお父さんの会社はダメになる」と。調べてみると、内紛があった。「その時、体感するように気づきました。自分という存在はこの身の個人でなく家系の縦の流れ、そして自分だけでない親の取り結ぶ社会的な横の関係の網の目全体の結節点の様なものなのだと。その中でなにが適切な行動なのかを考えなくてはいけないのだと」
社員として入社した田尻氏は内紛の社内を整理するとともに、まったく新しい業務に取り組む。配管の維持保全は、宿命ともいえる赤さびとの闘いである。
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さびをもってさびを制する

 
赤さびの発生により、建物の配管が閉塞し、赤水、漏水などが起こる。これに対し、給排水管の交換やライニング工法によって解決が図られてきた。配管の交換は、なにより手間と工事費がかかる。ライニング工法は、生活利便のために養生の期間がとれず、発がん性物質が常時浸出している。また、こちらも工事費がかかり、数年後には再劣化が始まる。
同社が開発した「酸化被膜工法™」は、管そのものに手を加えることなく、水の改善によって、赤さび(泥に近いさび)を黒さび(金属に近い結晶)に変える。黒色の酸化被膜が管の内部を保護し、赤さびで抉れ肉厚の薄くなった配管の部分を黒さびで修復・復元する役割を果たすわけだ。この技術を工業技術に変えるために水の改質の程度を計測する測定装置の開発に取り組んだ。このプランは、10年前に横浜市ビジネスプラングランプリ年間大賞を受賞している。ここで開始した取り組みが、今日に至り完成し伝承技術の工業化に至ったわけである。
「工業技術には、再現性、合理性、操作性が必要です」
再現性とは、いつでも、どこでも、だれにでも所定の条件や手順のもとで、同じ事象が繰り返し起こったり、観察できること。合理性とは、起きてる事象のプロセスをきちんと解明して説明できること。操作性とは、結果をコントロールできることである。そのためには測定技術が必須になります。
「測定装置ができたことで、酸化被膜工法は真に工業化できたのです」
鉱物結晶の働きを、人工の鉱物結晶をコーティングしたセラミックで行う水改質装置が「ザ・バイオウォーター™」だ。この装置を給水管に設置することで、水の質を変えて鉄の酸化速度を遅くし、配管の内部に安定した炭酸カルシウム皮膜を形成する。そして、その皮膜下の酸化の遅くなる環境で赤さびは黒さびに変化し、赤さびで浸食されていた管の内部も、黒さびによって元の肉厚まで復元することができる。運用に際しては電気を消費しないうえ、メンテナンスフリーなのでランニングコストもかからない。
「鉄がさびるのは、電気の現象なのです」と田尻氏は、測定装置について説明する。
水の中で腐食電流の流れが激しいと急速に赤さび化が進む。ザ・バイオウォーターを通した水の中では、腐食電流が抑えられ、黒さびになる環境ができていた。
「そしてこの水改質は排水になるとBODを下げ水環境を好転させます。ですから社是である三方よしの旗印のような技術でもあるのです。昨年度、法制化された『水循環基本法』の精神を体現している技術ともいえるのです」
将来的にはパブリックセクターの大きなパイプに対応し「横浜港の水底まで見えるようにしたいんです」と夢を語る。
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