優秀賞 サービス部門 株式会社 日本リフツエンジニアリング

代表取締役: 藤本 真之
所在地: 〒222-0033 横浜市港北区新横浜1-3-1
設立: 1992年3月 従業員: 30名
資本金: 2,000万円
TEL: 045-478-1790 / FAX: 045-478-1792
産業Naviページ:-
公式ページ: http://www.nle-jpn.co.jp/jpn/

船舶エレベーターのグローバルサービスシステム構築と世界展開

大手企業が進出していない、グローバルでニッチな舶用エレベーターの保守市場で「世界主要国での迅速な対応」「自社開発データベース利用による短時間サービス」「ワンストップサービス」「ハイレベルな英語サービス・ドキュメント」等をセールスポイントに、世界主要港のパートナー(エレベーター技師)を組織化し、国際標準の品質サービスを、世界の船主・船会社・船舶管理会社に提供するシステムを構築しました。
Ship Elevator Global Maintenance Service
 

これぞまさにヨコハマにあるビジネス

遠隔監視装置の会社として設立

 
「これぞまさに横浜にあるべき業績!」と、産業Navi大賞審査員から声が上がった。船舶エレベーターのグローバル保守システムを構築した、株式会社日本リフツエンジニアリング(NLE=NIPPON LIFTS ENGINEERRING INC.)への評価である。
1992年、一般エレベーター向けの非常時通話装置、遠隔監視装置の開発、設計、製造、販売を行うことを事業目的に同社は設立した。当時、エレベーターにそれらの装置の取り付けが義務付けられ始めていたからだ。
「エレベーターのシェアは、マルチナショナルメーカーである7〜8社によって占められています。そうしたメーカーは、メンテナンス専門の会社を独自に持っているのです。我々のターゲットは、大手ではない中堅メーカーと次のレイヤーの会社でした」
と、同社代表取締役・藤本真之氏。
その頃、エレベーターの非常時通話装置、遠隔監視装置は非常に高価であった。ターゲットとなる会社は資金的に潤沢とはいえない。それでも取引してくれるような価格設定の装置を、同社はゼロから研究開発した。
「遠隔装置については、よくよく内容を把握し、我々にとって市場性があると確信していました」
その読みどおりこの事業は、国内累計5万台強の販売実績がある。
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人助けのつもりで

 
2006年、都内でエレベーターの死亡事故が発生した。これを機に、全国規模でエレベーターの緊急点検が行われた。非常時通話装置と遠隔監視装置の供給のみを行い、保守点検は行っていなかった同社だが、手を貸してほしいという声が多くなっていた。
「メンテナンス業務は、これまで装置を納入していたお客さまの領域に入ってしまうわけです。応援するつもりはもちろんあったが、遠慮する気持ちが強かった」
そうした中、陸上のエレベーターの保守に追われている実情から、海上、つまり船舶のエレベーターの保守にまでまったく手が及ばなくなっていることを知る。
藤本氏は船乗りを夢見て、船舶系の学校に通っていた。ところがオイルショック後、人件費の高い日本人を、船会社が船員として求人しなくなった。
「船員は船の中で完結する使命を帯びています。ですから、電気、機械、冷凍機、ポンプなどさまざまなことを学びます。その知識が買われて、エレベーター会社に就職しました」
長年エレベーター会社に勤務し、船とエレベーターの両方に通じた藤本氏。自身の経験がすべてリンクしていたのだ。社内には船舶系の学校出身者や船員の経験者もいた。
「弊社の強みを生かし船舶のエレベーターに特化していこう。新たな挑戦と共に、これはもう人助けだと思いました」
同社は港に停泊中の大型商船や客船に対して、船舶エレベーターの保守に乗り出した。
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オーバーヘッド経費が削減

 
客船にエレベーターが設置されていることは広く周知されているが、大型タンカーや大型鉱石船、大型コンテナ船、自動車専用船の船員居住区にエレベーターが設置されていることは意外に知られていない。
船舶エレベーターの保守は従来、船に設置されたエレベーターのメーカーに依頼されていた。船会社の工務監督が依頼するわけだが、管理を担当している船が5隻で、エレベーターメーカーが異なっていれば、それぞれ違った点検報告書や作業報告書を受け取り、5種類の請求書を処理し、別々の銀行口座に料金を送金していた。
国際航路に従事する船舶は、世界中の港に入港するため、エレベーターメーカーの限られたサービス網だけではカバーできない。港のローカルな業者が応急対応するか、エレベーターが故障したまま使用不能な状態での運航を余儀なくされていた。
同社は、エレベーターの遠隔監視装置の製造のためフィリピンに出先機関を持っていた。ここを拠点とし、世界各国にパートナー会社を構築した。ワンオーダーですべてのメーカーの機種にタイムリーに対応するシステムを展開。点検報告書や作業レポートも統一したフォームで提出している。顧客によっては、以前は海外の技師が来日し、エレベーターの保守整備をし、USドルで支払っていた高額の料金。それを、同社に依頼してからは適正料金を円で支払うことができ、さまざまなオーバーヘッド経費が削減されたと喜びの声を聞く。
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船員向け実践セミナーを開催

 
船舶エレベーターは、航海中は機関部の船員が点検や整備を実施する。機関部の船員は、船舶を運航するためのメインエンジン、発電機、ボイラーなどの機器に関しては豊富な知識を有している。だが、エレベーターについては知識が乏しく、昇降路などの狭い場所で整備中の事故が発生するケースが見られる。
「船員を目指していた私も、こうした件には心を痛めていました」
このような背景やニーズもあり、同社は船会社の船員向けにエレベーター安全セミナーをフィリピンのマニラにある研修センターで、年間5回開催している。
大排気量、大口径の大型ディーゼルエンジンから伝わる振動、荒波や暴風による揺れなど、同じエレベーターではあっても、船舶用エレベーターは、ビル内のそれとは大きく違って過酷な環境下にある。点検や修理をするには、エレベーターに関する知識や技術と併せて、船舶や航行事情についての充分な知識と船舶エレベーターの豊富なメンテナンス経験が必要となる。
研修センターでは、世界基準となる習得レベルの標準化を図り、船員に向けての実践的な内容のセミナーを開催している。
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人をマネージメントする大変さ

 
船舶は世界中を動き回っている。その船を定期点検する海外ネットワークも構築。「大量生産のモノづくりは大手には勝てません。大手の後追いをするのではなく、率先してできるサービスをいかにエレベーターの分野に提供できるか」
同社の監視システムが、船舶エレベーターの日々の稼働状況や信号を端末に記録し、船舶が入港した際にIPネットワーク網を経由してその記録を同社が受け取り、エレべーターの遠隔診断を行えるよう開発を進めている。
「以前は製品開発というモノとの闘いでした。今はいろんな事情を抱えた、国内外のスタッフを束ねていかなければなりません。人をマネージメントする大変さ。しかし、もちろんこれほどやりがいがあることはない」
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これから目指すもの

 
今後のビジョンについて藤本氏はこう語る。
「当社顧客が真に保守サービスに取り組むとき、我々はそれを強力に支援する。当社顧客が取りこぼしている船舶ビジネスは我々がエンドユーザーを支援する。金儲け至上主義や安売り競争ではなく、スマートに、あるべき姿を追求したい」
クルマ、バイク、オヤジバンド、大人の男の趣味を数多く持つオールドボーイ、藤本氏は、なにより海を愛する。いちどは船員を目指した彼が、船の仕事で港に戻った。
創業以来20年以上、横浜を本拠地としてきた。会社ロゴマークもNLE YOKOHAMA JAPAN。これからもグローバルな顧客にYOKOHAMAを広くアピールしていく。
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