特別賞 山勝電子工業 株式会社

代表取締役: 金究 武正
所在地: 〒213-0013 川崎市高津区末長1-37-23
設立: 1973年12月 従業員: 85名
資本金: 7,000万円
TEL: 044-866-2411 / FAX: 044-877-0755
産業Naviページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100207_1.html
公式ページ: http://www.yamakatsu.co.jp

劣化の進んだ映画フィルムにも対応できる世界で唯一のデジタル化装置の開発

長年娯楽やイベントの映像記録に使われてきた35/16mm映画フィルムは現在フィルムの劣化やデジタル機器の進歩による産業構造の大変化のために廃棄・消滅の危機にありますが、デジタルデータ化して利用することにより、インターネットを介したオンデマンド映像配信サービスのキラーコンテンツとなって保存と利用の両立が可能になってきています。これを実現するために35mmフィルムの4Kデジタル映像化が残された課題でした。
当社のデジタル化装置は35mm映画フィルムの劣化状況を問わずにデジタル化するために世界で最初に開発された装置で、従来の同じ機能を持つ製品ではデジタル化できない劣化の進んだフィルムにも対応できることと映像品質が非常に優れていることが主な特徴です。
この装置を中心にして永久保存が可能な工学ディスクと組み合わせて将来に向けたオンデマンド映像配信サービスの実現を支援します。
 

人々と社会の記憶を保存する

基板設計から電子回路の開発へ

代表取締役 金究武正氏
劣化の進んだ映画フィルムに対応できるデジタル化装置の開発―産業Navi大賞特別賞を受賞した山勝電子工業株式会社は、 1973年にプリント基板の設計業務を行う会社として設立された。一見、まったく畑違いの事業のように思えるが……
「いやいや、すべて関連性のあることです」と同社代表取締役社長・金究武正氏は確信を持ってきっぱりと言いきった。
設立から10年を経た頃だ、受託してきた基板設計を内部で行う発注元が増えてきたのだ。どうする? 規模の縮小か?
そこで同社が選んだ道は基板設計だけでなく、その前段階である回路の開発から行おうというものだった。電子回路の開発 ―それは同社の新たな出発となった。
このページの先頭へ

すべて段階を踏んで

OMEGA SYSTEM
新潟に開発センターを開設し、電子機器システムの開発設計業務を開始する。電子機器の受託設計・製造サービスを本格的に スタートしたのだ。
世界最速のレーザーダイオードパルスエージングシステムの開発設計も行った。これは、ブルーレーザーダイオードを電圧変化や温度差などの環境変化のもとで連続作動させ、初期不良や寿命評価を行う試験システムであった。今、我々が高画質DVDを視聴することができるのは、このシステムあってこそ、というわけだ。
一方で、同社は、この装置の開発によって、電子回路にとどまらず機構そのもの、機械全体をつくるまでになっていた。「すべて段階を踏んで次のシステムに移っているわけです」と金究氏は説く。
また同社は20年ほど前から通信会社の依頼で、4Kの画質を画像データで圧縮する業務に取り組んでいる。たとえば劇場用映画のフィルムを複製する場合、1本当たり数百万円がかかる。複数の劇場で上映するとなれば、劇場数×数百万円の経費がかかるわけで、さらにこれを輸送する手間と時間も発生する。映像データを圧縮した配信システムを構築すれば、膨大な経費削減になるわけだ。
それだけではない、医療分野での利用も視野に入れられている。地方にいる患者の内視鏡データを中央の最新医療機関に送信することで、診察も可能となる。
この4Kによる画像データの研究実績と、機械の設計開発を行うノウハウの結晶こそが今回の受賞事業となれば、まさに納得ということになろう。
このページの先頭へ

社会貢献として

Ωスキャナー仕組み
これまで長年月にわたり娯楽やイベントの映像記録に使われてきた35mmや16mmの映画フィルムは、劣化やデジタル機器の進歩により、廃棄、消滅の危機にある。デジタルデータ化することにより、インターネットを介したオンデマンド映像配信サービスのキラーコンテンツともなり、保存と利用の両立が可能となるわけだが、これを実現するためにはフィルムの4Kデジタル映像化が課題となっていた。
ところが、そのオリジナルフィルムの経年劣化が深刻な状態だ。35mmフィルムを4Kデジタル映像化する従来の機器は、撮影されたばかりの映画フィルム用であり、古いフィルムをデジタル化するには新しいフィルムにコピーして、その新しいフィルムを4Kデジタル化していた。しかし現在、映画フィルムの供給会社は倒産や撤退をしてしまい、入手困難である。
そもそも映画フィルムは脆く、多くはワカメ状に波打ったり、反って破損したりしている。
従来の4Kデジタル映像化装置のフィルム送り機構はある程度の強靭さと変形がないことを前提にしているので、古い映画フィルムをこうした装置にかけても外れたり、最悪は切れてしまったりして対応できなかった。特に、パーフォレーションと呼ばれるフィルムの縁に一定間隔で開けられている送り穴が破損している場合には、従来装置では手に負えない。この穴を使ってフィルムをピッチ送りで1コマ1コマ処理していたからだ。
同社が開発したOMEGASystemは、ユニークでシンプルなメカニズムでこの難しい問題を世界で最初に解決。オリジナルフィルムを高品質高精密に4Kデジタルデータに容易に変換することを可能とした。 「当社としては、人々と社会の記憶を保存する社会貢献だと思っています。しかし、フィルムの劣化や廃棄は進んでいる。急がねばならない事業なんです」
このページの先頭へ
▲ページトップ