特別賞 やきとり竜馬におまかせ

代表: 齋藤 秀一
所在地: 〒238-0006 横須賀市日の出町2-3
設立: 2008年5月 従業員: 4名
資本金: 1,100万円
TEL: 046-825-8727
産業Naviページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100200_1.html
公式ページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100211_1.html

地域の歴史資源と店のブランドのコラボによる新たな市場の開拓

坂本龍馬と焼鳥にこだわりを持ったお店として8年間営業。
昨年は坂本龍馬に加え、地元浦賀のヒーロー中島三郎助を掘り起こすことにより、各種イベント(オリジナルソングを作成し、居酒屋ライブの定期的開催・浦賀の特産イワシを使用した三郎助つくねの考案・中島三郎助をテーマにしたお店主催の歴史ウォーキング・店主による中島三郎助の本の販売)等による新しいお客様の獲得をし、売り上げの増加を図った。
 

地元への 愛あふれる 経営革新

坂本竜馬への思慕

代表 齋藤秀一氏
「♪大平の眠りを覚ます黒船に先陣を切った三郎助」で始まるオリジナルソング『日本一の三郎助』。三郎助とは、1853年のペリー艦隊来航時に黒船に乗り込んでアメリカ側との折衝に当たった浦賀奉行所与力、中島三郎助である。作詞したのは、横須賀の居酒屋『やきとり竜馬におまかせ』店主・齋藤秀一氏だ。
店名からも分かるとおり、齋藤氏は幕末の志士、坂本竜馬の大ファンである。齋藤氏の竜馬との出会いは中学時代にまでさかのぼる。
不登校気味だったその頃、テレビでは『3年B組金八先生』が放映されていた。現実の学校に面白さを感じられなかった齋藤氏は、ドラマの中のクラスと金八先生の姿に憧れる。母はそんな齋藤氏を日本武道館で開催された海援隊のコンサートに連れていってくれた。そして、ステージで武田鉄矢がせつせつと語る竜馬像に魅了されてしまう。
以来、司馬遼太郎著『竜馬がゆく』をむさぼり読み、竜馬が登場するドラマや映画を目をらんらんとさせて観た。
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おりょうゆかりの地で開店

料理・店舗
30歳になった齋藤氏に、人生を大きく変える出会いが待っていた。長崎の竜馬ゆかりの地を訪ねる旅先で入ったやきとり屋は、竜馬をコンセプトとした、竜馬ファンが多く集う店だった。「こんな店を開いてみたい!」当時、郵便局員だった齋藤氏の胸に決意の灯がともった。
その夢がついに実現したのは8年前の2008年5月、齋藤氏は42歳になっていた。この間、齋藤氏は竜馬研究とともにやきとり屋研究もしていた。長崎のかの店で竜馬をコンセプトとしての店舗づくりの教えを請い、東京、横浜のやきとり屋で実務や経営の修行をした。料理はもともと日常的に親しんでいた。中学時代に海援隊のコンサートに連れていってくれた母が、齋藤氏20歳の時に亡くなり、父と弟の男所帯となった家族の食事の用意を手掛けていたし、飲食店でもアルバイトで厨房に立っていた。
横須賀市主催の店舗を開店したい人とお店を提供したい人のお見合い広場で気に入ったのが今の店である。駅から徒歩10分、大通りから脇に入った路地という立地はけっしていいとは言えなかった。けれど、なにより竜馬の妻、おりょう終焉の地がすぐ目と鼻の先。おかげで全国の竜馬ファンが、おりょうの墓参の帰りに寄ってくれる。
メニューも、海援隊の旗印、赤・白・赤の3本線をモチーフにパプリカ(赤)・とりもも肉(白)・パプリカを串焼きにした「竜馬やき」、彼の盟友を冠したやきおにぎり「(中岡)慎太郎飯」、お土産用には「おりょうと竜馬の愛したかすていら」など、竜馬にちなんだ品々が並ぶ。
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自由な発想と大胆な行動力

オリジナル曲ライブ
竜馬の魅力を綴った研究書を5冊自費出版した齋藤氏だが、竜馬のみにとどまらず興味は地元横須賀ゆかりの歴史上の人物へと広がっていく。その1人が三郎助で、『相州浦賀湊のヒーロー中島三郎助』を出版。地元で歌謡教室を開く常連客がメロディーをつけ、冒頭で紹介したオリジナル曲も完成した。店では毎月1回オリジナル曲のライブを行っている。歌うのは地元人がバンドメンバーとなる、その名も竜馬からとった「ドラゴンホース」。
三郎助は「三郎助つくね」とメニューにも取り入れられた。江戸時代、干しイワシは浦賀の特産物で肥料として関西に送られた。そのイワシをつくねにした同店の新メニューである。また、竜馬やおりょうと同様、オリジナルラベルの焼酎として三郎助も加わった。
齋藤氏は歴史サークル「湘南海援隊」の代表も務め、三郎助の生家や顕彰碑をコースとしたウォーキングイベントも定期的に開催している。出版物、オリジナルソング、イベントという飲食店とはまったく違った分野からの取り組みによって、新規の顧客獲得につなげた経営革新は、成功事例としての新規性があると今回の受賞のポイントになった。藩制などの枠に縛られず、自由な発想と大胆な実行力で日本を近代国家に導いた坂本竜馬のように。そして、なにより齋藤氏の活動の底に流れているのは、地元へのあふれる愛である。三郎助というけっして全国レベルのネームバリューがあるとはいえない偉人にスポットライトを当て、ウォーキングにはクリーンハイクを取り入れ、招かれた学校での歴史講演会では郷土愛を育成する。
「横須賀の歴史をPRし、これからも開店当初の方針にぶれず、さらなる発展を目指します」が齋藤氏の受賞の言葉だ。
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