奨励賞 株式会社イ・エム・テクノ

代表取締役: 遠藤 郷平
所在地: 〒259-1146 伊勢原市鈴川17 鈴川工業団地
設立: 2006年3月 従業員: 4名
資本金: 1,000万円
TEL: 0463-96-4132 / FAX: 0463-96-4133
産業Naviページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100197_1.html
公式ページ: http://www.emtechno.com

「移動型・地滑り検知センサー」を利用した
簡易型「地滑り・倒壊・崩落検知器による警報システム」の製造・販売

台風・地震等による、土砂災害発生により、多くの、“貴重な人命と財産”が失われております。
係る、災害の発生を、迅速に高精度で検知し、リアルタイムで災害発生の予測を可能とする、地滑り・地盤崩壊・建物倒壊等に特化した、独創的な、「移動型・地滑り検知センサー」を利用した簡易型「地滑り・倒壊・崩落検知器による警報システム」です。
簡単に設置でき、災害発生危険地域に、早期避難警報を発し「人的被害を事前に防止」すると共に、災害発生現場の復旧作業中の関係者(消防隊員・警察隊員・自衛隊員等)の二次災害を防止することで広く、地域住民・救援活動隊員の「安心・安全」、確保に多大の効果が期待出来ます。
 

眠ってしまう技術が惜しい

束縛されずにものづくりを

代表取締役 遠藤郷平氏
電子機器製造会社を役員定年後、2006年3月に起業。株式会社イ・エム・テクノ代表取締役社長・遠藤郷平氏は「E=エコロジー、M=メカトロニクス、T=テクノロジーが社名の意味」と説明する。
遠藤氏は、かつて防災・セキュリティ関係のOEM(original equipment manufacturing=相手先企業のブランドをつけて販売される製品の受注生産)を行う会社のエンジニアとして、出入り管理システムの開発をひたすら行ってきた。指紋登録や網膜登録によるセンサーである。大手企業傘下で行うこれらの研究開発成果は、すべて相手先企業に持っていかれてしまう。「束縛されないで開発できて、社会に貢献できることがしたかったんです」それが起業の理由だった。
そしてそのためには「大手から開発資金をもらわない、が前提でした」
当初、厚木市に会社を設立した遠藤氏は、同市が行う設立して間がない新企業を支援するインキュベーション事業に応募。手元に残っていた地滑りセンサーの特許を生かす製品開発に乗り出した。
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移動型・地滑り検知センサー

移動型地滑り検知センサー・警報装置
従来の定置型地滑りセンサーは、ワイヤセンサーが主流であった。張ったワイヤーが地滑りを感知するという原始的ともいえる方法である。これには、設置場所の地質調査を必要とした。つまり、地滑りが起こりそうな脆い地盤のエリアの中で、しっかりとワイヤーを張ることができる堅硬な設置場所を選定するという、矛盾したことを行わなければならないのである。そして、この調査に多大な費用と時間を要した。
そこで遠藤氏が開発したのが移動型・地滑り検知センサーである。これは、3つのセンサーモジュールによって地滑りを感知するものである。まずは加速度センサー。これによって、地面の動きを感知する。加速度センサーについては、従来機も早い動きについては対応ができていたが、この機械では遅くゆっくりとした動きをミリ単位で感知できるまでになった。
2つめは磁気方位センサー。これによって、東西南北どちらの方向に地滑りしているかを感知する。
そして3つめが水分センサーである。これで地中水分の含有量を調べる。地滑りは表層だけでなく、水分を多く含んだ土中のすぐ上から滑り始めるのである。これで、地滑りの規模を感知するわけだ。
設置も簡単なこの製品により、中小企業庁主催の第1回ものづくり支援事業の補助金を受けた。試作品の基礎実験、実証実験を経て販売へと向かったが、ワイヤセンサーの市場規模は90%を占めている。この牙城を崩すことはできなかった。
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個人の防災レベルまで

火山活動対応型地滑り検知センサー
その後、土砂災害発生現場での緊急救助や復旧作業を行う消防・警察・自衛隊などレスキュー隊員の安全確保について声が上がるようになった。1週間かかってワイヤーセンサーを張り終える頃には、隊員たちはその現場をあとにしている。危険現場へ簡単に設置でき、即可動可能な警報システムはないか?
そこで同社が開発したのが、簡易型「地滑り・倒壊・崩落検知器による警報システム」だ。移動型・地滑り検知センサーの心臓部であるセンサーモジュールを改良することで、高性能、高信頼、軽量・可搬型の検知器としたのである。がけ地、急傾斜地、地盤崩壊の挙動、活断層の挙動、変動、構築物の崩壊が予測される場所にセンサーを設置。受信機が電気信号として警報を検知する。
さらには、火山活動対応ロボットとして、改良した機器も開発。ドローンによる空中からの投下設置を想定した性能を有している。センサーは、水平補正や加速原点などを自動補正(初期設定)することから、設置場所に制約がなく、また無人観察が可能だ。箱根大涌谷の水蒸気噴火の際にも、火山活動対応型の投下式センサーが活用された。「ドローンでソフトランディングさせるつもりだったのが、10m地点から投下することになったんですよ。もちろん、正確に動いています。もっともその前に、5mからの投下試験を黒玉子のリフトでしたんですが、あの時も10m近い所から落としていた。まあ、いい実証実験ができました」と微笑む。
大手は採算が取れない技術は商品化せず眠らせてしまう。せっかくの技術を生かしたいという遠藤氏は、個人の防災感覚に合った低価格バージョンの開発も目指す。
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