優秀賞 その他ビジネス部門 株式会社レゾニック・ジャパン

代表取締役: 川口 卓志
所在地: 〒226-8510 横浜市緑区長津田町4259-3 東工大YVP内 W102
設立: 2013年8月 従業員: 7名
資本金: 980万円
TEL: 045-530-3780 / FAX: 045-530-3780
産業Naviページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100194_1.html
公式ページ: http://www.resonic.jp

重心位置や慣性モーメントが世界最高水準の精度で簡単計測!!
慣性特性計測装置 resonic シリーズ

当社は、東工大発のベンチャー企業であり、2013年に設立された会社です。
モノの重心位置や慣性モーメントなど、モノの慣性特性を計測する装置の開発・製造・販売及び計測サービスを行っています。
小型人工衛星を始めとして自動車業界のエンジン、二輪車など様々の分野におきまして計測実績を有しております。当社の慣性特性測定装置は慣性モーメント並びに重心位置の測定につきましては世界最高水準の精度を実現致しております。また、スピーディ且つ簡易に計測することが可能です。
今後は自動車・小型船舶(模型)・ドローン・スポーツ器具などの新分野開拓に注力してまいります。
 

スポーツ用具選びだけでなくコーチングにも

東工大発ベンチャー企業

代表取締役 川口卓志氏
 株式会社レゾニック・ジャパン代表取締役・川口卓志氏は、東京工業大学で機械工学博士後期課程に所属していた際、ドイツからの留学生ロバート・クレッパー氏と出会う。彼が発明したのがレゾニック計測技術だ。特許については、所属する東工大が出願人となるが、技術内容について記載の確認作業を行うのはクレッパー氏だ。彼にしてみれば日本語の約款は難解である。出願を手伝った縁で、川口氏は博士課程修了後に東工大からレゾニック計測技術の特許ライセンスを受け、同社を創業した。2013年のことである。
 大学が有する技術シーズ、知見を活用した東工大発ベンチャー企業として、同校すずかけ台キャンパス隣にある大学連携型起業家育成施設、東工大横浜ベンチャープラザ内に社を構え、事業評価や経営支援を受けている。
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慣性モーメント

自転車の車輪の計測と慣性モーメント説明
レゾニック計測技術について説明しよう。あらゆる運動は、たとえば、縦、横、奥行きを軸とした並進運動(同一方向に平行移動する運動)と、縦、横、奥行きを軸とした回転運動の6つの組み合わせからなる。モノには、その運動を規定する量がある。それは慣性特性と呼ばれ、重心の位置、質量、慣性モーメントという3つのパラメーターで構成されている。モノの重心位置、質量、慣性モーメントを計測するのがレゾニック計測技術であり、計測装置の開発、製造、販売及び計測サービスを行うのが同社の事業である。
たとえば自転車の車輪の場合、スタートで回転運動の力(トルク)がかからず、回転しやすい車輪はスタートが早い。ただし、すぐに減速してしまう。これは慣性モーメントが小さいことになる。ところが、スタート時のトルクはかかるが、回転速度の変化がゆっくりな車輪―これは慣性モーメントが大きい。
慣性モーメントは、軸のまわりを回転するモノの慣性(性質)の大きさを表す量だ。そして、この慣性モーメントが、車輪の特性を表すことになる。
フィギュアスケートのスピンの場合、回転する速度(回転運動における質量=慣性テンソル)を早くしたい時、選手は腕を小さく折りたたむ。すなわち慣性モーメントを小さくしていることになる。回転速度をゆっくりにしたい時、選手は腕を大きく伸ばして慣性モーメントを大きくする。
このようにして、人は慣性モーメントを自在に操れるが、変形しないモノには本来持っている慣性モーメントがあるわけだ。
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事故を未然に防ぐ

移動体やその構成ユニットの重心や慣性モーメントを高精度に計測することで、安定走行、安定飛行、横転や転覆防止、振動騒音軽減などの効果が得られる。
無重力の宇宙空間などでは、人工衛星やロケットの姿勢を的確に制御するために、慣性特性(質量特性)を精度よく知る必要がある。自動車や船舶も、エンジンの重心や慣性モーメントを調べることで、車体や船体の旋回のしやすさ、しにくさを知ることができる。それだけではない、重心の位置が高いために起こってしまう高速道路で多発する横転事故を未然に防ぐことができ、船舶やプレジャーボートの横転による転覆事故を防止する設計が可能となる。
また、自動車なら、エンジンを取り付ける場合、重心の位置や慣性モーメントを知ることができれば、振動や騒音を抑える設計が可能だ。重機械もエンジンやキャビンの重心や慣性モーメントのCAD設計値と実測値とを比較することにより、振動や騒音の軽減が可能になるのだ。
家電製品にも適用可能だ。振動が発生する洗濯機などについて、重心の位置や回転のしにくさを正確に知ることにより、さらに振動や騒音を低減した製品が開発できる。
従来の計測方法は、どれも軸方向によって再配置や位置合わせの手間がかかり、しかも精度が低かった。また、装置が大型化し、作業者の安全面にも問題があった。レゾニック計測技術は、計測対象物をバネで柔軟に取り付けし、しかも再配置が不要というシンプルなハードウエアであり、自動による高精度な計測を可能にした。
自動車と衛星の計測
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感覚を数値にする

ゴルフクラブの計測
同社の製品は主に開発メーカーや研究機関などの新製品の開発に必要とされる。したがって、製造元の新製品の数量に比例した成長性が基本的に見込まれる。だが、新製品ということもあり、また、難解な技術であることから、まだ公知されていないというのが現状である。
今、同社がいちばんの目標に置いている分野はスポーツ用品だという。これまで人工衛星、自動車、オートバイなどで実績のあるレゾニック計測技術をもとに、スポーツ用品向けに特化したrezonic−2Kを今年度中に発売予定している。
テニスやバドミントンのラケット、野球のバット、登山靴、スノーボードなどの多くのスポーツ器具は、あくまでユーザーの感覚で器具が選ばれているため、定量化されていなかった。
同社が開発した装置は、スポーツ用品小売店などに提供し、スポーツ用品における慣性特性を計測し、ユーザーに提供することで、スポーツ用品の選択に、定量的で客観性のある視点を持つ機会が与えられる。また、製造メーカーに提供することによって、より高度なスポーツ用品の開発に貢献できる。
開発においては神戸大、筑波大、東工大との共同研究を通じて、2020年東京オリンピック、パラリンピックの用具開発の産学連携スキームへの参画を考えている。そして、この共同研究を通じて“感覚を数値にする!”というコンセプトを学術的にも検証し、その研究成果を世間一般に広く知ってもらうことで、レゾニック計測技術を認知してもらい、スポーツ振興に寄与していきたいと考えている。
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難解な技術

選手が、バットの先にボールが当たっていると感じれば、重心の位置がバットの先端の方にあるバットを選ぶ。
「色や値段だけでなく、その人にあった用具を客観的に選ぶのに重心や慣性モーメントという選択肢があってもいいのではないでしょうか」と川口氏は語る。
“感覚を数値にする!”―レゾニック計測技術によるスポーツ用品業界への新規参入は、スポーツの特性に影響を及ぼす革新的なものになるかもしれない。
「用具選びだけでなく、スイングの時になぜ脇を絞めるのか―コーチングにも、感覚的なだけでない、論理的な指導を行ううえで慣性モーメントが定着するといいですね。そのようにこの難解な理論が、定着していけばなあと。そういう意味で、今度の受賞はレゾニック計測技術を知ってもらうきっかけになります」
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