優秀賞 サービス部門 メディカルフードサービス株式会社

代表取締役: 松島 宏和
所在地: 〒222-0033 横浜市港北区新横浜3-6-5
設立: 2004年12月 従業員: 10名
資本金: 5,000万円
TEL: 045-477-3579 / FAX: 045-473-1279
産業Naviページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100192_1.html
公式ページ: http://www.medifoods.jp

管理栄養士監修の宅配食で健康維持
多様な病態に合わせたカテゴリーMFS健康管理食

糖尿病や腎臓病のためにたんぱく質や塩分・カロリー等の制限が必要な方向け、あるいは咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)が困難になった方向けの健康管理食を自社工場にて製造し、個人顧客に定期的に宅配しています。
腎臓病や糖尿病などの病態・症状に合わせてきめ細かくカテゴリーを分け、しかも冷凍タイプ(賞味期限90日間)と冷蔵タイプ(チルド、消費期限5日)の2種類から選択できるため、顧客のニーズ・お好みに対応して高い評価を得ています。
当社商品は、食事が治療の一方法となっている顧客の調理負担を軽減し、健康状態の維持並びに症状改善に寄与しています。
MFS健康管理食
 

食べることは命

起業しよう

代表取締役 松島宏和氏
糖尿病や腎臓病のために塩分やたんぱく質や糖分・カロリーなどの制限が必要な方、咀嚼や嚥下が困難になった方に向けて、健康管理食を自社工場で製造し、個人顧客を中心に定期的に宅配を行うのがメディカルフードサービス株式会社だ。同社の代表取締役社長・松島宏和氏も、かつては会社員だった。
関西に本社を持つ企業が東京に進出することになった。そのスターティングメンバー5人のうちのひとりが松島氏だった。7年間の奮闘の末、松島氏は東京展開を予想以上の成功に導いた。そして、関西の本社に呼ばれる。「社長から東京総支配人になってくれと要望されました。“まあ、いいですが、幾らくれますか?”と訊いたら、逆に “幾ら欲しいんだ?”と訊かれました。率直な金額を応えたら“前例がない”と言うんです。それを聞いた途端、ああ、私の仕事は評価されていないな、とこの会社に骨を埋める気がなくなりました」そう語りながら松島氏は薄っすらと笑う。カネの問題ではない、自分の仕事が純粋に認められているかどうかの問題なのだ。
世の中の矛盾を感じながらも、会社を辞めたからには新たな働き口を探さなければならない。「48歳になっていましたし、就職も難しいかな、と思いました」
それなら起業するか―では、なにをしよう?
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自分にできることはなにか?

人口が減っている日本に、はたしてマーケットがあるのか? 成長しているのは人口が増えている海外だが、資本や語学の問題があるし、家族もいた。国内ビジネスに切り替えて考え直すと、国の医療費は増え続けている。老人の比率も増えている。平均寿命も延びていた。この層に、元気で長生きしてもらいたいものだと思った。
それには、早期の病気発見や予防医療が大切だ。ワンボックスカーで巡回する方法もあるが、自分は医者ではない。ならば食事と運動だ。運動はピンキリといっていい。タダで走ることもできるし、設備と立地に資本がかかるスポーツクラブは大手がよい場所に展開している。すると食事だ!松島氏は店舗のいらない病院食に行き着いた。
しかし、病院を回って食事を納入させてくれないかと営業に回ってみると、そもそも厨房設備がなければ入院施設のある病院は開業できないことが分かる。数年に一度の入札で決定する業者が、その厨房を使って調理を行っているのだった。ここにも大手業者が入り込んでいた。
自分にできることはなにか? 松島氏は徹底的に考えた。
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健康管理食

やわらか食 健康管理食
病院で行われるのは、安静と医療と食事療法である。では、退院後はどうなのか?まず安静について―これは自宅のほうが落ち着くので、安静にしていられるかもしれない。医療については、町の薬局があるし、定期的な通院によって行われる。それなら、退院後の食事療法はどのように行われているのか?
糖尿病や腎臓病患者は食事制限があるため、的確に栄養計算を施した食事摂取が必要となる。つまりは、これが食事療法に当たるわけだが、はたして家庭できちんと計量した調理が実際に可能なのだろうか?たとえできたとしても、限定された原材料や調味料だけで毎食調理することは、患者や家族にとって大きな負担となっているのではないか?松島氏は多くの文献を読み込んで勉強すると、管理栄養士とともに健康管理食の商品化に向けた栄養計算を始めた。患者それぞれが体格も違うし、活動量も違う、この基準をつくるのに3か月を要した。
2004年12月に会社設立。透析用の弁当をつくっていた工場に委託し、MFS健康管理食シリーズの製造、販売を開始した。 「製造については、計量調理ができるかどうかが問題であって、普通食の業者でもよかったんです。ただ、透析食が保険対象から外れた頃で、その工場は手が空いていたわけです」
松島氏は県内を中心に病院を回って営業した。パンフレットを退院患者に渡してもらえるように交渉したのだ。それでも、最初の2〜3か月は売り上げゼロが続いた。
インターネットを有効活用しようと考え、 Yahoo!のリスティング広告に登録しようとするが、薬事法などとの絡みでなんとも苦労した。だが、いったんネット上で取り上げられると、すぐに反応があった。機内食で糖尿病食が不人気なのは、病気について大っぴらにしたくないという傾向があるからだ。その点、健康管理食はネット通販向きだった。
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「私がやります!」

やわらか素材
「健康ではなく、体力のない人の食べるものであるのですから、健康管理食の栄養値は少しの誤差もなくつくりあげなければなりません」
松島氏は、計量調理のさらなる精度を高めるため、2010年に石川県小松に自社工場を新築。オゾンによる殺菌、金属検出器による異物混入防止など徹底した衛生管理が図られた最新鋭工場だ。
ここで松島氏は、新製品の開発に取り組む。やわらか食である。見た目、風味、栄養価を残した、やわらかい食事―「噛んだり、嚥下が困難になったからといって、ただ磨り潰してペースト状にしたものを流し込んでいればいいのか?形のあるものを食べれば元気になります。食べることは命なんですから」。やわらか食の製品化は、創業間もなくから松島氏が着手したい事業でもあった。まだ、事務所に自分ひとりしかいない頃、かかってきた電話で、嚥下困難になった患者を持つ家族の、こうしたものが欲しいという要望を聞いた。それは悲痛な叫びであった。「将来、私が必ずつくりますから!」松島氏は、そう約束したのだ。
2011年、MFSやわらか食の販売開始。介護施設にアピールするが、反応は芳しくなかった。もはや松島氏は「売ろうという考えを捨てていました。喜んでくれる人がいればいい、そう思ったのです」。松島氏の亡くなった母も嚥下困難になっていた。亡父は胃瘻で栄養を取っていた。
やがて、やわらか食も個人宅を中心に好評を得るようになった。腎臓病や糖尿病などの病態、病状に合わせてきめ細かくカテゴリーを分け、冷凍タイプ(賞味期限90日間)と冷蔵タイプ(チルド、消費期限5日)の2種類から選択できるため、顧客のニーズに対応して高い評価を得ている。「ガン患者の方も、食べれば治療する体力がつきます」。食事が治療の一方法となっている顧客の、健康状態の維持と症状改善に寄与している。
宅配料金無料で定期的に届けるが、ある日、キャンセルが入った。「理由を聞いたら、食事をとられていた方が亡くなったとのことでした。“おかげでおいしいものを食べさせてあげられました。ありがとう”と。亡くなったのに、感謝の言葉を頂いたんです」松島氏が感に堪えないという面持ちになった。
「これまで歩いてきて、後ろを見ると道ができている。前には原生林が広がるばかり。そこをまた道にしていくのが当社です」 今後は海外での生産、販売も視野に入れているが、すでに幾つかオファーもあり、調査中だ。
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