優秀賞 ものづくり部門 株式会社イフェクト

代表取締役: 桑田 健一
所在地: 〒212-0032 川崎市幸区新川崎7-7 かわさき新産業創造センター225
設立: 2006年4月
資本金: 1,000万円
TEL: 044-333-7125 / FAX: 044-333-7125
産業Naviページ: http://www.navida.ne.jp/snavi/100191_1.html
公式ページ: http://effectcorp.com

多用途への利用を可能にするLEDレンズモジュール(e-Module)

一般照明や看板、植物工場などさまざまな利用を可能にしたLEDレンズモジュールです。用途に合わせた光学レンズを開発しモジュール化します。
レンズを変えることで、配光角度を変化させることができ、その結果としてさまざまな用途に使用が可能になります。効率よく光らせることでユーザーはLEDの使用個数が削減でき導入が進みます。
LEDレンズモジュール
 

LEDの料理人

レンズ効果

代表取締役 桑田健一氏
用途に合わせた光学レンズを開発。レンズによって配光角度を変化させ、多様な使用を可能にしたのがLEDレンズモジュールだ。
株式会社イフェクト代表取締役・桑田健一氏は、かつて勤めていた電子部品商社でLEDに出会った。LED(light emitting diode=発光ダイオード)という素子は当時まだまだ先走りであり、市場に定着するものではなかった。その後、桑田氏はLED照明の会社に転職。ここまでのふたつの経験が、イフェクトの起業を決意させる。つまり、LEDという素子を扱う会社があり、 LEDを使う会社があるのなら、その間に入り、使う側の要望にかなったLEDモジュールをつくろうと思ったのだ。
「LEDという素材があって、いろいろなものが食べたい方々がいる。その注文に合った料理をつくるのが自分の仕事だと思ったんです」と桑田氏は語る。
LEDモジュールとは、明るさや色など、 LED照明を用途に合わせて光らせる機能を持った部品である。社名のイフェクトとは“効果”から来ている。レンズ効果によって、光に効果を与え、それが人々に役立つ効果として発揮される。そう、桑田氏はレンズによって効果を発揮するLEDモジュールをつくることを念頭に起業したのだった。
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本気でやりきる

桑田氏の言葉が意味する「食べたい料理をつくる」とは、用途に合ったLED、レンズ、基板からなるモジュールを設計製作し、電源やコントローラーと組合わせて提供することである。
起業したばかりで日銭を稼がねばならない。一方で中長期的な仕事にも着手しなければならなかった。そのバランスが難しい。メーカーからの依頼をたったひとりで受け、LEDモジュールをつくる。資金が少ないのだから、高価な素子を使う以上、失敗は許されなかった。それでも、外しが出る。LEDによる懐中電灯の製品化にも挑戦してみたが、販路が見つからずにとん挫した。結局ものづくりは、どこまでやり切れるか、その決意の本気度にかかっているのだということを知った。
液晶テレビのバックライト開発にも加わった。その中で、面発光を求められる用途としてテレビと電飾看板に共通点があることに気づいた。だが当時は、ハイパワーLEDが市場に流通していなかったため、看板用途では普及が進まなかった。
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配光角度

LEDモジュール
東日本大震災以降、節電需要を契機としてLED照明の普及に拍車が掛かった。さらに、2014年のノーベル物理学賞を受賞することになる青色発光ダイオードの実用化が成功すると、すでに実用化されていた赤と緑と併せて光の三原色が揃い、LEDの用途の分野が広がった。
LED照明の普及と劇的な性能の向上が続く中で大手チェーン店などの看板内に使用される内照式看板照明も従来の蛍光灯からLEDへと代替されていく。しかしながら、量産によるスケールメリットやコスト競争の中でLEDの価格が下がったとはいえ、蛍光灯と比較すれば高くつく。大型の看板になればなるほど数多くのLEDを使用しなければならず、結果的に初期経費の負担が 大き過ぎた。そのためユーザーの購買意欲が高まらず、他のLED照明と比べて代替が進まない根本原因となっていた。
内照式看板照明に採用されるLEDの多くが、配光角度120度で照射されている。これによりLED間のピッチとLEDと看板面までの距離が1対1の関係となり、面をむらなく均一に光らせているわけだ。それならば、この配光角度を変えることでコストダウンにつながらないだろうか?
桑田氏は160度で発光する光学レンズを 開発し、モジュール化に成功。160度の広角レンズを使用することで、従来の倍のピッチでLEDを配置しても発光面を均一に光らせることができるようになり、その結果としてLEDの使用個数を1/4個に削減した。省エネ性はもちろん、視認性にも優れた効果をもたらした。
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LEDの可能性

バックライト式LEDモジュール
同社では、レンズ角度を16度、30度、60度とバリエーションをもたせたモジュールをラインアップ。間接照明やスポット照明用の集光レンズモジュールとして好評を得ている。
また、先述した広角レンズモジュールは使用するLEDの波長を変えることで植物工場にも最適な製品となっている。植物工場ではラックで植物を成長させるため、なるべく少ない面積で多くの野菜を育てたい。そのため、ラックを何段も積み上げる方法が一般的だ。この場合、光を均一に照射させるために光源から植物までの距離を多く取る必要があった。同社の広角レンズモジュールを使用することで、より少ない距離で均一に照射することを可能としたのだ。
植物工場は水耕栽培で水が光源に当たる可能性がある。また、看板も、屋外に設置されることが多く、箱状ではあるものの、雨水や湿気の侵入を防ぐ密封性がないため、中のLED自体を防水構造にしなければ信頼性が保持できない。LEDや電気端子部の防水構造を得るために最適な構造設計と使用する樹脂の選定を行い、防水規格IPX7を取得した。
LEDモジュールを用いた製品開発にも怠りない。楕円レンズを採用することで側面発光するLEDモジュールを使用したファブリックシステムがそれだ。アルミフレームの側面から発光することで、両面のファブリック(布)に印刷したグラフィックメディアを照射する店舗ディスプレイである。ファブリックは取り換えが可能であるし、アルミフレームは軽量で扱いやすい。
LEDモジュールをつくるには4つの要素が必要だ。1つめは言うまでもなく基板・回路設計。2つめがレンズ曲率や角度を設計する光学設計。3つめが照度シミュレーション。このシミュレーションを行うことで「ムダな試作をせず、5合目〜8合目あたりから頂上を目指せるんです」。そして4つめは熱流体解析。自身が発熱するLEDはまた熱に弱い。それだけに、放熱の設計をしてやる必要がある。「この4つが自社内で行えることが、なによりうちの強みなんです」桑田氏は自信にあふれた表情でそう断言する。多くの会社が、これを分担して行っている。そして、これを分担すると、調整に費用と時間がかかり、ゆがみも生じる。
パート社員は地元の主婦が中心だ。モジュールの組み立て作業はさほど難しくはないが、慣れて長く働いてもらいたい。その点地元から雇用するとシフトを組む際に小回りが利く。
「殺菌性のある紫外線をつくるLEDなど、 LED照明にはまだまだ可能性があると思います。そこにどういう付加価値をつけていけるか。人がやっていないようなものづくりに挑み続けていきたいと思います」 ものづくり部門優秀賞受賞のポイントは、桑田氏のLED料理の腕が評価されたということだろう。
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